狙われたその瞳

神名代洸

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簡単に説明するとイヴァンはストーカーから手を離した。
ストーカーの男はもう逃げることはなかった。
諦めたようだ。
リジーはそれでも怒りでそいつの頬をひっぱたいた。

「痛いじゃないか。どうして…。」
「あなたなんか知らないし、大っ嫌い!」

リジーに言われた男はシュンとして大人しく連れていかれた。


イヴァンはリジーにもう一度部屋に入り鍵をかけさせると、シュナイダーの後を追った。


リジーは部屋の中を行ったり来たりしていた。気を紛らわせていたのだ。サミーの事が気になって仕方がなかった。
まだシュナイダーからは連絡はない。
一瞬だけ最悪なことを考えてしまった。
泣きたくなる。
そう、不安で胸が潰れそうになる。
大好きな友達が今どんな思いでいるのか、不安が拭えない。

どれだけ待っただろう…。
3時間?4時間?
突然携帯が鳴った。
思わずビクッとしてしまう。
電話の相手は…シュナイダーだった。



要点だけ簡単に言えばサミーは無事だった。

携帯を誰かにスられ連絡できなかったそう。

警備の人たちも皆いる。

但し服装はボロボロだったらしい。
どうやら誰かと格闘していたようだ。
シュナイダーがついた頃には襲ってきたやつらは皆散り散りになって逃げたという。
こちらに合流することにした。

ホッとした。
そろそろ夕方に近い。
部屋に電気をつけようとした時、誰かが近くにいる気配を感じた。もう敏感になってしまっているようだ。だから電気をつけるのをやめ、音を立てないようにジッと時を待った。
しばらく近くで声が聞こえた気がしたが、足音は徐々に離れていく。
それでも不安は拭えずそのまま真っ暗の部屋に1人足を組んで皆が戻るのを待っていた。


そのまま眠ってしまっていたようだ。
玄関が開く音が聞こえてようやく目が覚めた。

「リジー?いないのか?」
「ここよ。ここにいるわ。」
「なんで部屋の電気をつけないんだ?」
「誰かに見張られる気がして…ちょっと怖かったのよ。だから何も音を立てずにいたの。」

「リジー、ああ、良かったわ。」
「サミー、無事で何よりよ。不安だったんだから。」
「でも大したことなかったわ。あなたがつけてくれた警備の人たち強いんだもの。不審者から私を守ってくれたのよ。こんな体験二度と無いわ。」
「正確には用意してくれたのは彼なのよ。」そう言ってシュナイダーの方に手を伸ばす。
「彼はシュナイダー。SPよ。」
「へえ~、本当にいるんだ。映画か何かかと思っていたわ。彼、素敵ね。」
「ええ、そうね。彼は素敵よ。私彼に口説かれちゃって…。」
「ええ~、羨ましいなぁ~。私も主人がいなかったら口説かれてみたいわ。」
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