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突きつけられた現実
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治療を始めたことで、人々の間で口伝いに広がっていった。不思議な力で治していく女の子がいると。
その子がどんな子か知りたいのと自分達が真っ先に治して欲しいのとで年頃の子を探して回る姿がちらほら見られた。
医師はそんな子はいないというが、目撃した人から伝え聞いており、信じていなかった。
家族から離れていたことでそのことに全く気づいていなかった私は体力が回復すると又テントへと走っていった。
その姿を見た大人が「彼女かもしれない。」と追いかけ始めた。私は全く気づいていなかったが、医師が来るなと手で合図を送って来てようやく足が止まった。
「あーーーっ。」
私は大声で叫んだ。そしてまた今度は反対方向へと走っていく…。
大回りをしてテントへと走っていくつもりだった。そこを兄に止められた。
「もう止めろ。」
「えっ?どうして?」
「周りをよく見てみろよ。」言われてようやく周りを見ることに…。すると年頃の子を探して回る大人達の姿が目に入った。
「みんなお前を探してるんだぞ。わかってるのか?捕まったら最後倒れるまで力を使わされる羽目になるぞ。もう止めておけ。」
「でも…。」
「家族に迷惑がかかるんだぞ。それでもいいのか?母さんの病気が悪化したらどうする。」
普段口数が少ない兄がここまで言うのだからよほどのことなのだろうと納得し、兄の後をついていった。すると母が少し苦しそうにしている姿が見えた。
「お母さん、大丈夫?」
「大丈夫だよ。少し横になってれば楽になるから…。」
私はさすりながら力を使った。だからバレてない。時間が経つにつれて母の顔色も良くなり皆ホッとした。
私はとりあえずさっきの医師の場所に行くことを諦め、家族と一緒にいることにしたが、友人のことも気になった。
前世での縁があると言うことはわかったが、今世で、どの程度付き合っていけばいいのかわからない。そもそも今この状態でみんながどうなっているのか分からなかった。
連絡したくても電話が通じない。
「どうしたらいいの?」
「何が?」姉が答えた。
「中のいい友人が気になる。」と言うと「わたしも気になるけどしょうがないよ。電話が通じないんだから…。」そう言われて諦めるしかなかった。
2~3日経ってようやく電話が通じるようになるが、電話に出てくれることはなかった。
心配だったが、わからないのでどうしようもない。
とりあえずは当面の課題を解決しないといけない。私が今できること。前世からの使命。夜、眠りについた時あちらの世界とやらから友人に会えないかと思い、念じながら寝てみたが会うことはできなかった。と言うよりいけなかった。まるで拒まれているかのようだ。内なるものに話しかけるが返答はなかった。どうしたらいいの?
私は途方にくれた…。
その子がどんな子か知りたいのと自分達が真っ先に治して欲しいのとで年頃の子を探して回る姿がちらほら見られた。
医師はそんな子はいないというが、目撃した人から伝え聞いており、信じていなかった。
家族から離れていたことでそのことに全く気づいていなかった私は体力が回復すると又テントへと走っていった。
その姿を見た大人が「彼女かもしれない。」と追いかけ始めた。私は全く気づいていなかったが、医師が来るなと手で合図を送って来てようやく足が止まった。
「あーーーっ。」
私は大声で叫んだ。そしてまた今度は反対方向へと走っていく…。
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「でも…。」
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「お母さん、大丈夫?」
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私はとりあえずさっきの医師の場所に行くことを諦め、家族と一緒にいることにしたが、友人のことも気になった。
前世での縁があると言うことはわかったが、今世で、どの程度付き合っていけばいいのかわからない。そもそも今この状態でみんながどうなっているのか分からなかった。
連絡したくても電話が通じない。
「どうしたらいいの?」
「何が?」姉が答えた。
「中のいい友人が気になる。」と言うと「わたしも気になるけどしょうがないよ。電話が通じないんだから…。」そう言われて諦めるしかなかった。
2~3日経ってようやく電話が通じるようになるが、電話に出てくれることはなかった。
心配だったが、わからないのでどうしようもない。
とりあえずは当面の課題を解決しないといけない。私が今できること。前世からの使命。夜、眠りについた時あちらの世界とやらから友人に会えないかと思い、念じながら寝てみたが会うことはできなかった。と言うよりいけなかった。まるで拒まれているかのようだ。内なるものに話しかけるが返答はなかった。どうしたらいいの?
私は途方にくれた…。
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