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不思議な力
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こんな時どうしたらいいのか全くわからないが自分の身は自分で守るしかないという考えに至った私は何を思ったのか超能力入門なる本を手に入れることになった。
きっかけはたまたま入った書店で目についたのがこの本だったこと。中を見るといろいろなことが書かれていてやってみたいと思ったことが要因だ。
色々と細かいことが書かれていたが、要は全部やればいいということだ。必要な道具はない。1週間かかるということ。やる前に身を清めるということくらいだ。
私は家族にも内緒でそれを始めることにした。
小さな洗面器に水を張り、意識を集中して波を起こさせることから始めた。
始めからできるなんて思わない。そもそもそんなことができるなんて思ってもいなかった。毎日毎日同じ事を繰り返した。
すると何日かめに僅かに波のような波紋のような兆候が見て取れた。
「うっそ、マジ?」
信じられなかった。そんなことができたなんて。それでも諦めずに続けた。
小さな波がおきた。
出来たーと思った。
他にも何か動かせないかと部屋を見渡し、蛍光灯の紐を見た。できるかもしれない。今度はその紐に意識を集中した。すると簡単に揺れだした。
他には何ができるのか本を見て調べた。
その日はそこまでにして訓練をやめた。どっと疲れが出たのだ。集中しすぎたのかもしれない。
次の日、学校に行くと、教室の片隅に黒い塊があるのに気がついた。でもみんなは気づいていない。教室内ではいろいろな遊びが流行っていたが、中でも今みんなが夢中なのは心霊写真だ。各々が撮ってきた写真を学校に持ち込み、やーやーと騒いでいる。
私はフラリと近づき、覗き込んだ。
するとそこには何かが写り込んでいた。誰がどう見ても心霊写真に違いなかった。
私は思わず指をさして「こことここに写ってるよ。」と言ってしまった。
皆驚いて私を見ている。
「ねぇ、分かるの?」
「うん、写ってるし…睨みつけるように見てるし…。まぁ、色々なのがね。」
「すっご~い。ならさ、…。」
クラスメイトの皆はすご~いと驚いている。
私は普通に見えるよと言っていた。他にも透視ができた。
たまたまトランプを持っている子がいて、裏向けたまま当てるというものだ。
私は次から次へと言い当て皆をさらに驚かせた。
私も面白いように見えることに嬉しさを感じていた。しかしそれはいいことばかりではなかった。毎日の様に教室のどこかしこで見るようになったからだ。霊を…。
ある学校行事の日、お寺の掃除があって、最後に記念写真を撮ってもらったが、後々になってその写真も心霊写真だったことがわかり皆恐怖していた。霊が何体も写り込んでいるのだ。骸骨だったり、歪んだ顔だったり…。
それからは霊の話はしなくなった。
皆怖くなったのだ。
きっかけはたまたま入った書店で目についたのがこの本だったこと。中を見るといろいろなことが書かれていてやってみたいと思ったことが要因だ。
色々と細かいことが書かれていたが、要は全部やればいいということだ。必要な道具はない。1週間かかるということ。やる前に身を清めるということくらいだ。
私は家族にも内緒でそれを始めることにした。
小さな洗面器に水を張り、意識を集中して波を起こさせることから始めた。
始めからできるなんて思わない。そもそもそんなことができるなんて思ってもいなかった。毎日毎日同じ事を繰り返した。
すると何日かめに僅かに波のような波紋のような兆候が見て取れた。
「うっそ、マジ?」
信じられなかった。そんなことができたなんて。それでも諦めずに続けた。
小さな波がおきた。
出来たーと思った。
他にも何か動かせないかと部屋を見渡し、蛍光灯の紐を見た。できるかもしれない。今度はその紐に意識を集中した。すると簡単に揺れだした。
他には何ができるのか本を見て調べた。
その日はそこまでにして訓練をやめた。どっと疲れが出たのだ。集中しすぎたのかもしれない。
次の日、学校に行くと、教室の片隅に黒い塊があるのに気がついた。でもみんなは気づいていない。教室内ではいろいろな遊びが流行っていたが、中でも今みんなが夢中なのは心霊写真だ。各々が撮ってきた写真を学校に持ち込み、やーやーと騒いでいる。
私はフラリと近づき、覗き込んだ。
するとそこには何かが写り込んでいた。誰がどう見ても心霊写真に違いなかった。
私は思わず指をさして「こことここに写ってるよ。」と言ってしまった。
皆驚いて私を見ている。
「ねぇ、分かるの?」
「うん、写ってるし…睨みつけるように見てるし…。まぁ、色々なのがね。」
「すっご~い。ならさ、…。」
クラスメイトの皆はすご~いと驚いている。
私は普通に見えるよと言っていた。他にも透視ができた。
たまたまトランプを持っている子がいて、裏向けたまま当てるというものだ。
私は次から次へと言い当て皆をさらに驚かせた。
私も面白いように見えることに嬉しさを感じていた。しかしそれはいいことばかりではなかった。毎日の様に教室のどこかしこで見るようになったからだ。霊を…。
ある学校行事の日、お寺の掃除があって、最後に記念写真を撮ってもらったが、後々になってその写真も心霊写真だったことがわかり皆恐怖していた。霊が何体も写り込んでいるのだ。骸骨だったり、歪んだ顔だったり…。
それからは霊の話はしなくなった。
皆怖くなったのだ。
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