やすらぎはあなたと

【１２】

「どうしたんだい？」
「実はギャブの事を話そうと思ってきたの。でもいい意味でね。」
「いい意味？」
 
カレンは自分が知り得たギャブのすべてをガイに話した。その間ガイは一度も口を挟まなかった。
 
「じゃあ、君とギャブは・・・」
「ええ、私はその気はないわ。父にもこの事を全部話すわ。」
「じゃあ俺はどうすれば？」
「どうもしなくていいわ。でも、一緒に父に会ってくれる？」
「ああ、いいよ。」
 
それから二人は色々と計画を練った。
探偵を雇い、ギャブの生活ぶりを徹底的に調べ上げた。
ギャブはいつも通りギャンブルをし、女をつかまえ夜を楽しんだ。
カレンもガイもギャブの事を知るにつれ、嫌悪しか抱かなかった。
 
「最低な男だな。仮にも君と婚約しているのに女遊びをしているとは。」
「そういう男だったってことよ。私も以前は騙されていた一人だったのよ。知ることができてよかったわ。」
 
たくさんの証拠資料を手にカレンとガイはカレンの父、ニーバスの元へ向かった。
休日は庭の手入れをしている事もある父の所へ二人で向かい、知り得たすべての証拠を突きつけた。
 
「これがギャブという男の正体よ。」
「こんなもので私の気が変わるとは・・・。」
「いいからちゃんと見て！」
 
娘に強く言われ仕方なく資料を見始めたニーバスだったが、内容を見るにつれ怒りでクシャクシャにしてしまった。
 
「なんという男だ。この私を騙していたとは。この婚約は無効だ。」
 
ニーバスは怒りでクシャクシャにした資料を手にしたままどこかへ向かおうとしていた。
 
「お父様、どちらへ？」
「わかっているだろうが。ギャブの所だ。私を騙しおって。」
 
 
二人をそのままにニーバスは出かけていった。ギャブを探しに・・・。