やすらぎはあなたと

神名代洸

文字の大きさ
上 下
11 / 18

【11】

しおりを挟む
「カレン、君は・・・」
それ以上話す事も出来ずガイはその場を去った。
カレンはすぐガイを追おうと走り出したが、ギャブに腕を掴まれそれ以上進む事が出来なかった。
 
「離して!!」
「なんだい?ハニー。」
「私はあなたのハニーじゃないわ。二度と私の前に現れないで。」
「嫌だね。また来てやるよ。」
 
そう言ってギャブは帰って行った。
カレンは壁にもたれ崩れるように座り込んだ。
 
「ガイ。」
 
 
どれくらい経っただろう。
カレンは立ち上がると行動に出た。
父にガイを認めさせるのだ。その為にはまずギャブがどんな人間かを教えなくてはならない。お金目当てだと分からせるには・・・。
知っている所に片っ端から電話をかけ、証拠を集め始めた。するとある事が分かった。ギャブは今ギャンブルにはまっており、多額の借金をしている事を。家は抵当に入り支払いに間に合わなければ全財産を失うという事を。
この事を父が知ればギャブとなんか結婚しなくてもいいと言ってくれるはずだろう。後はガイの事。私のガイへの気持が分かりかけていたカレンはガイもきっと好意を持っていてくれるに違いないと考えていた。
ガイは見た目とは違い真面目でとても優しい男性だと父に教えて二人の関係をつずけたかった。
 
その頃ガイは一人自分の家にいた。
一軒家で一人で住むには広すぎる。だが両親と共に過ごしてきたとても大切な家だ。
箪笥の上には両親がいた頃に一緒に写した写真が飾ってある。両親はもうここにはいない。
この思い出溢れる家にカレンと一緒に過ごせたらどれだけ良いだろう。だがカレンには婚約者がいた。あの父が認めるはずがない。そう思うとこの気持ちを忘れるしかないと思った。
 
「ピンポーン。」
 
「はい。」
ガイが玄関に行きドアを開けると目の前にはカレンが立っていた。
 
「はーい、ガイ。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

〜恋する乙女のドキドキ物語〜

神名代洸
恋愛
憧れていた。 物語の主人公のような白馬に乗った王子様が迎えにきてくれるって。 そんなはずないのにね。 子供の頃は信じていたが、今はもういい大人。現実にはあり得ないとわかっている。 それで小説の中に夢を求めた。 そんな私の物語。

アンコール マリアージュ

葉月 まい
恋愛
理想の恋って、ありますか? ファーストキスは、どんな場所で? プロポーズのシチュエーションは? ウェディングドレスはどんなものを? 誰よりも理想を思い描き、 いつの日かやってくる結婚式を夢見ていたのに、 ある日いきなり全てを奪われてしまい… そこから始まる恋の行方とは? そして本当の恋とはいったい? 古風な女の子の、泣き笑いの恋物語が始まります。 ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ 恋に恋する純情な真菜は、 会ったばかりの見ず知らずの相手と 結婚式を挙げるはめに… 夢に描いていたファーストキス 人生でたった一度の結婚式 憧れていたウェディングドレス 全ての理想を奪われて、落ち込む真菜に 果たして本当の恋はやってくるのか?

大好きな背中

詩織
恋愛
4年付き合ってた彼氏に振られて、同僚に合コンに誘われた。 あまり合コンなんか参加したことないから何話したらいいのか… 同じように困ってる男性が1人いた

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と… 「Ninagawa Queen's Hotel」 若きホテル王 蜷川朱鷺  妹     蜷川美鳥 人気美容家 佐井友理奈 「オークワイナリー」 国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介 血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…? 華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

狙われたその瞳

神名代洸
恋愛
俺はシュナイダー。 SPをしている刑事だ。 いつものように警護対象を警護中にある一人の女性が気になって仕方がなかった。その女性は一人で本を読み、楽しそうに微笑んでる姿を見るとこっちまであったかくなりそうになる。 そこに一人の男が。 明らかな不審者とも取れる男が彼女に手をかけようとしているのをみてなぜかわからないが思わず体が動き彼女を助けることに。 のちに彼女と関わることになるとは当時の俺にわかるわけがなかった。

振られた私

詩織
恋愛
告白をして振られた。 そして再会。 毎日が気まづい。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ

しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話

処理中です...