やすらぎはあなたと

神名代洸

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それからの二人は別れた後の事を話していた。
カレンの父の事、社長のトーマスの事・・・話は尽きなかった。
 
「トーマスったら本当に心配症なんだから。エマにも言っとかなきゃ。」
「それだけ二人に大切にされてるんだから良い事だと思うよ。」
「それでもちょっとね。でも二人には感謝してるわ。」
 
 
二時間くらいたった頃だろうか・・・突然カレンの携帯が鳴った。
「誰かしら?」
「出た方がいいんじゃないのかい?」
 
カレンは着信番号を見ると切りボタンを押した。
「よかったのかい?」
「ええ。」
 
{今さら何のようなの?ギャブとはもう終わったのよ。会いたくもないし、話す事も何もないわ。}
 
カレンは頭の中で独り言を言ってガイに話はしなかった。もう終わった事を話す必要はないと思ったからだ。
 
 
次の日カレンの自宅のチャイムが鳴った。
朝七時という早い時間に来客の予定はなかったので、カレンは嫌な予感とともにドアを開けた。すると目の前に会いたくもない人物が立っていた。
薔薇の花束を持ったギャブだった。
 
「何しに来たの!」
「何ってデートに誘いに来たんだよ。ハニー。」
「あなたとはもう会いたくもないわ。帰って!!」
「そうはいかないんだよ。くっくっくっ。君のお父さんから悪い虫から娘を守りなさいと言われててね。まだ君のお父さんは知らないんだよ。だからまだ婚約者として君と一緒にいられるって訳さ。」
「何て人。でも私はもう嫌よ。父とも喧嘩したってあなたと一緒になるもんですか。」
 
そこに偶然現れたのがガイだった。
二人の会話を聞いてしまっていた。
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