やすらぎはあなたと

【９】

「じゃあ本題に入ろう。君は彼女とどうしたいんだ？」
「どうしてそんな事を社長に話さなければならないんですか？」
「さっきも言ったが彼女と私の妻は友人でね、家族同然の付き合いをしているんだよ。だから心配でね。」
「そうでしたか。ですがこればかりは私にもわかりません。ただ、彼女を悲しませるような事はしないつもりです。」
「信じていいんだね。」
「はい。」
 
その後すぐに職場に戻りいつもどうりの仕事をこなした。
それから一週間程は彼女とも会う事もなく変わらない日常が過ぎていった。
 
 
一方カレンはというとその後父親に散々ガイの事を言われ、頭にきて喧嘩をしていた。
父は富豪に嫁がせ、資産を増やしたいらしい。娘の気持など知ろうともしない。
カレンはまたガイに会いたくなった。
トーマスの会社なら場所は知っている。会う事も簡単だろう。けれども会う理由が見つからなかった。
 
それから数日後、前に行った店にデビットと来たガイはそこでカレンを見て話したくなった。
 
「ガイ、行ってこいよ。彼女と話したいんだろ？」
「だが今日は一緒に飲む・・・」
「相手は別に見つけるからお前は彼女とよろしくやってこいよ。」
 
ガイはデビットと話しながらも目はカレンを見ていた。
そしてデビットと別れ、カレンの方へ歩いて行った。
カレンもガイを見つけるとずっと見つめていた。まるで待っているかのように・・・。
 
「やあ。」
「お久しぶり。」
 
カウンターに並んで腰かけると二人はカクテルを頼んだ。
 
「あらっ、アルコールはいいの？」
「ああ、今は少しだけにしておくからね。君とも話したいし・・・。」