やすらぎはあなたと

神名代洸

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ガイは結局その日は無断欠勤した。
カレンの事が気になって仕事に集中できる状態じゃなかったからだ。
あれから夜の事が気になってどうするつもりかを聞いたが、どうにかなるわ、と言っていたけれど、<もし何か面倒な事が起きたら連絡してくれ>っと言って、帰ってきたのだった。
 
 
次の日、いつものように会社に出社した同僚から声をかけられた。
 
「ガイ、昨日は連絡なかったじゃないか。無断欠勤か?
お前も隅におけないな~。ついに彼女でもできたかぁ。今度紹介しろよ。」
 
「おーい、ガイ。お前何かやったのか?上司が呼んでるぜ。」
 
そう言われて思い当たる事もないのでなんだろうかと不安を感じつつ上司の部屋をノックした。ドアを開けると上司が普段座っているデスクになぜか会社の社長が座っていた。
社長は上司に席をはずすように言うと上司はしぶしぶ席を外した。
 
「突然すまない。ちょっと個人的な事で君を呼び出してしまった。たぶん君は何の事だか分からないだろう。こう言えばいいかな?カレン・リンダの事は知っているかい?」
「どうして彼女の事を・・・。」
「知っているかってことかい?実は僕の妻が彼女の友人でね。君が酔いつぶれた日も彼女は家から電話をして君の事をどう扱ったらいいかを聞いてきたんだ。まぁ、会ったばかりの酔った男性を連れてくるなんて今までの彼女ではありえないことだけど、カレンはあの時いろいろとあったみたいだからね。妻のエマもとても心配していたんだ。で、君が僕の会社の社員だという事が分かったんで、直接君と話をしたくてここに来たというわけなんだ。」
 
社長のギャブからの話で事情が呑み込めたガイだったが、カレンの為だけに動いたことで逆に驚いた。
社長はいつもなら社員にかまっている暇などないはず・・・。取引先との会談などで社にいる事は殆んどといっていいほどないからだ。
 
「そんなに緊張しないでくれ。この事で君にどうこうしようという気は全くないよ。」
「で、話は何でしょうか?もしかして彼女のお父さんから頼まれたんですか?」
「いいや、それはないよ。彼女のお父さんはあまり好きじゃなくてね。彼女には悪いけど・・・。」
「そうですか。」
 
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