やすらぎはあなたと

神名代洸

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いつものようにデスクに座り、ガイ・エリックはため息をついていた。
今年で24歳になるが、女性とは今までにこれといった付き合いもない。
だが、容姿は人並み以上である。整った顔立ち、均整のとれた肉体、今まで女性関係がなかったのが信じられないと友人にはよく言われていた。
 
「ガイ、お前今日ヒマか?」
「はあ~?」
 
今はまだ仕事中でデスクのパソコンに向かい事務処理におわれていた為、突然の話に間の抜けた返事をしてしまった。
デビットは陽気で人付き合いがよく、ガイもそんな所が羨ましく思っていた。
 
「仕事ばかりでつまんないだろ?たまにはパーッと飲みにでも行こうぜ。どうせお前まだ独り身なんだろ?」
 
待つ人がいない家に帰るのは慣れてはいたが、今日はそんな気分ではなかったのでデビットの誘いを受けることにした。
彼らが行った店は洒落た店で、カップルが店内の半分を占めていた。
空いていたカウンターに座るとデビットは慣れた感じでウイスキーを注文した。
ガイはというとここに来るのは全く初めてで、しかもアルコールはあまり飲めないにもかかわらず水割りを注文した。
 
「今度の上司はあんまり役に立たない奴だな。俺たちばかりにしわ寄せがくるし、残業をすれば嫌味を言いやがる。会社ももう少しましな奴をよこしてくれればよかったのにな・・・。」
「なら君が配置を希望してくれればよかったのにな・・・。」
「だが俺は面倒なのは嫌なんだ。楽して給料もらってる方がいいんだよ。」
「デビットらしいと言えばデビットらしいけど回りも大変だぜ。あの上司じゃ。」
 
話をしながら、ガイはある場所を見ていた。
奥のカウンターに1人で座っている女性を。
淡いパステルブルーのパンツスーツを着たその女性は独りでカクテルを飲んでいた。
 
デビットが話しかけていた事にも気付かずにその謎の女性に気を取られていた。しかし、その女性が何気なくこちらを見た時に思わず目をそらしたが、その時デビットがガイを見てニヤニヤしている顔を見てしまった。
 
{ゲッ、こいつ、なんかよからぬ事を考えてやがる。}
などと思いながらため息をついた。
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