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十七夜【タイトル未定】
17-28
しおりを挟む「椎娜・・・ごめん・・・」
「・・・?何が・・・?」
「・・・・・・俺は、きっと、こんな風にしか椎娜を愛せない・・・守りたいのに、傷つけて、無茶をさせる・・・そんな風にしか・・・椎娜を愛せない・・・でも他の男になんて絶対椎娜を渡したくない・・・」
肩に乗ってる桜太の額・・・胸に落ちる溜め息とも吐息とも取れる熱い呼気・・・。
大きな身体が不安に揺れる感情から縋るように背中に手を回して、私の背中をそっと撫でている。
「椎娜を守って死ぬならいいけど、椎娜がいない日常を生きるのは嫌だ・・・だから俺が椎娜を守るのは俺のためなんだよ・・・身を挺してなんて、カッコイイもんじゃない・・・」
「・・・すごい勝手だね・・・・・・」
「・・・・・・ごめん・・・嫌だと思うし、重いだろうし、でも」
「私もそうなんだけど。」
「・・・・・・え・・・・・・」
「私も、桜太がいないなら生きてるの嫌なんだけど。」
「・・・・・・ごめん・・・」
「どうして?なんで謝るの?今から死ぬの?私を置いて??」
「違う、そうじゃなくて」
「何かあった時に死んでもいいって思うなら、恋人になんてなりたくなかったよ・・・!お互いに大切な存在になんてなりたくなかった・・・!!」
ボロボロ、ボロボロ涙が零れて、両手を桜太の胸に叩きつけるように、思い切り感情を乗せて桜太を突き放した。
「どうして・・・好きって言ってるじゃん・・・!ヤキモチなんていっぱい妬けばいいし、嫉妬も馬鹿みたいにしてよ!私のこと好きなんでしょ?!・・・・・・それで・・・・・・私が桜太の事も馬鹿みたいに好きなんだって、馬鹿みたいに自惚れてればいいじゃん!!他の男っていうけど、私は桜太しか見てないのにわからないの?!」
・・・っ・・・悔しい・・・
・・・・・・悔しい・・・っ!!
「私は・・・桜太に信用されてなかったのが一番悔しくて嫌だったよ・・・!!っ・・・う、ぅ・・・ぁ・・・うぁぁぁぁぁぅぇっふ、ぐぅ・・・っあ、ぁぁぁッ・・・もぅ、ッやだっ・・・きらいッ桜太ッ・・・」
「・・・椎娜・・・ごめん・・・わかってなくてごめん・・・」
突き飛ばしたのにまた抱き締めようと腕を回すから、嫌だ嫌だと振り払い、弾き飛ばして暴れまくって、けれどナカに入ったままのソレは段々勢いを取り戻し、私のナカを押し広げてミッチリと勃ち上がった。
「やだッもうしないッやだッッ」
「・・・だめ・・・もう間違わないから・・・椎娜の事愛させてほしい。」
私の両手を左手で捕らえて、目を合わしたくなくて顔を背けても、自由な右手は頬を掴み、迷いの消えた真っ直ぐなブルーに私は射抜かれた。
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