徒然なる恋の話

焔 はる

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十七夜【タイトル未定】

17-10

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「ねぇ、それで?なんで昨日椎娜さんのとこ行くって話から連絡もつかず、呼び出されて来てみれば、何その怪我。」


ダイニングテーブルを挟んだ正面に座る暁月さんの前で、デカい図体を縮こませ、怒られるがまま全て聞くしかない桜太。


「それ、何?どういう経緯で負った怪我なの?警察には?それとも公に病院にも行けないやつなの?


「・・・後者の方です。」


「・・・・・・はぁ・・・・・・馬鹿だよ桜太・・・ほんと・・・・・・あのさ、自分の立場、いい加減自覚しなよ。いい年して喧嘩沙汰、暴力沙汰、しかも、言いたくないけど裏社会と関わっての問題は桜太だけじゃなくて会社にとっても影響が大きすぎるんだよ、そういうのわかってる?!」


・・・・・・・・・聴いている私も耳が痛い・・・何せ、今回の事は桜太は巻き込まれただけだから・・・・・・



「あの・・・暁月さん、それは・・・・・・」


「椎娜、いいから。」


「でも・・・ッ」


「全部俺の落ち度だよ。もっと冷静になればよかったんだ。岐津さん宅に乗り込まなくても他に方法はあっただろうし、この怪我も俺が招いた結果だよ。」


「・・・・・・桜太・・・・・・」



「・・・・・・そんな怪我して、今更気づいても遅いってわかってる?腕だけじゃ済まなかったかもしれないんだからね。これは秘書として、会社の人間として言っておく、時永社長、自覚がなさすぎる。あなたは、あなたを慕い共に良い物を作り上げたいと集まった社員、仲間を路頭に迷わせてもいいのか?」



・・・・・・それは、最もな話で、私は自分が付き合っている人がそういう立場にいる人だと、認識が甘かった自分を責めた。


幼馴染の桜太、その感覚が抜けず、いつまでも自分の過去に振り回されて、成長して今彼氏という立場で共にある桜太の事を、一番近くにいる私が考えてあげなければいけなかったんだ。



「・・・悪かった。本当に・・・。」


頭を下げる桜太に、暁月さんは溜息をひとつ落して、


「・・・2、3日は安静にしてなよ・・・何かあれば連絡するから・・・」


と、告げ、帰って行った。





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