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十六夜【消えたい?消したい?掃除屋との遭遇】
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「あ~なんでだよ、オレの仕事っぷりの話なのに・・・」
「うるせぇな、そんなの椎娜が聴く必要ねぇ事だろうが。」
「はぁぁぁ・・・マジでおうたうざい。」
視界を覆われ、見えない私を抱く腕に力が入り、痛すぎる程強く抱きしめられた瞬間、押し付けられた胸と耳の間に隙間が出来て、それは大切な人たちに向ける声とは全く異なる、組織の幹部の圧倒的な・・・
「・・・!・・・って、ぇ・・・・・・」
「・・・お前は何をしている・・・ゼロ・・・」
「・・・・・・ボス・・・・・・」
「何をしているのかと聞いている。答えろ。」
「ッ・・・ごめん、なさい・・・・・・」
「謝罪なんて求めていない。オレの言葉を理解しないのかお前は。」
「っぐ・・・ぁ・・・ぁ・・・ぼ、スッ・・・」
声のやり取りだけで把握できていた周囲の状況を、桜太の腕の中から顔を出してようやく掴むことができた。
「・・・柊誠、さん・・・」
ゼロがボスと呼ぶ柊誠さんが、壁を背にして座り込むゼロの右肩を踏みつけ、髪を掴んで顎を反らさせると、苦しそうに喘ぐゼロ・・・
ナイフを握っていた右肩を踏みつけられた事で、ナイフはゼロの手から零れてキンッ・・・と高い金属音を立てて道路に落ちる。
「・・・・・・おい、お前何してんだ、表に出て来い。」
スマホでそれだけ伝え、柊誠さんは胸ポケットにしまうと、足をどかしてゼロの髪を掴む手を思い切り横に振り切った。
「ッッぁぁッーーー!」
叫びと共に道路に転がったゼロを、冷たく怒りに満ちた瞳が見下ろしている。
「・・・ゼロ、お前は躾直す。覚悟しておけ。」
「・・・ぁ・・・ぁ・・・ボス、ぼ、す・・・ごめん、ごめんボス・・・」
震えて怯えるゼロには見向きもせず、柊誠さんは私たち、いや、左腕から血を流す桜太の前に立ち、傷に目をやった。
「うるせぇな、そんなの椎娜が聴く必要ねぇ事だろうが。」
「はぁぁぁ・・・マジでおうたうざい。」
視界を覆われ、見えない私を抱く腕に力が入り、痛すぎる程強く抱きしめられた瞬間、押し付けられた胸と耳の間に隙間が出来て、それは大切な人たちに向ける声とは全く異なる、組織の幹部の圧倒的な・・・
「・・・!・・・って、ぇ・・・・・・」
「・・・お前は何をしている・・・ゼロ・・・」
「・・・・・・ボス・・・・・・」
「何をしているのかと聞いている。答えろ。」
「ッ・・・ごめん、なさい・・・・・・」
「謝罪なんて求めていない。オレの言葉を理解しないのかお前は。」
「っぐ・・・ぁ・・・ぁ・・・ぼ、スッ・・・」
声のやり取りだけで把握できていた周囲の状況を、桜太の腕の中から顔を出してようやく掴むことができた。
「・・・柊誠、さん・・・」
ゼロがボスと呼ぶ柊誠さんが、壁を背にして座り込むゼロの右肩を踏みつけ、髪を掴んで顎を反らさせると、苦しそうに喘ぐゼロ・・・
ナイフを握っていた右肩を踏みつけられた事で、ナイフはゼロの手から零れてキンッ・・・と高い金属音を立てて道路に落ちる。
「・・・・・・おい、お前何してんだ、表に出て来い。」
スマホでそれだけ伝え、柊誠さんは胸ポケットにしまうと、足をどかしてゼロの髪を掴む手を思い切り横に振り切った。
「ッッぁぁッーーー!」
叫びと共に道路に転がったゼロを、冷たく怒りに満ちた瞳が見下ろしている。
「・・・ゼロ、お前は躾直す。覚悟しておけ。」
「・・・ぁ・・・ぁ・・・ボス、ぼ、す・・・ごめん、ごめんボス・・・」
震えて怯えるゼロには見向きもせず、柊誠さんは私たち、いや、左腕から血を流す桜太の前に立ち、傷に目をやった。
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