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十五夜【壊れていく音】
15-21
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「・・・なんでレモネード?」
戻ってきた暁月の手には、いつも用意してくれる珈琲ではなく、黄色の液体。
「ふふ、そういう気分かなぁ~って、優秀な秘書は準備をさせて頂きました。宜しければどうぞ?」
・・・昔からそうだ。
誠司と揉めた時、起業の為の準備が行き詰まったり、余裕がなくなってイライラしている時・・・いつも察した暁月は甘さたっぷりのレモネードを淹れてくれた。
「うちの会社の給湯室にはいつもレモネードが常備されてるの。割とみんな気に入ってくれてるみたいだよ?」
「・・・・・・ふぅん・・・・・・」
「誰かさんみたいに、原液に追加の角砂糖を4つも5つも入れる人間はいないけどね(笑)」
「はっ・・・健康でいいこった。」
「・・・・・・桜太、椎娜さんと何かあった?」
「・・・・・・」
「・・・」
「・・・・・・・・・出て行った。」
「え・・・?出て、って・・・・・・怪我も、まだ・・・・・・」
「・・・・・・壊したんだ。俺が・・・。椎娜が一番嫌悪して、一番されたくない事を俺がした・・・」
「なんで・・・」
「・・・なんでだろうな・・・・・・いつもならもっと上手くやれたのに・・・」
自分でもわからない感情に俺は支配されるまま、笑顔で出迎えてくれた椎娜を無理矢理抱いた。
後悔してもその事実は消せない、変わらない、それが現実として、俺は一緒に眠るのが当たり前になっていたベッドで眠れずに過ごし朝を迎えた。
椎娜がいなくても同じように朝はやって来るのに、静けさしかない部屋に差す光はただ白いだけで虚しさしかなかった。
・・・・・・浮かれていたのかもしれない、椎娜はどこにも行かないって・・・・・・
交わす言葉を約束された確証のある未来だと信じて疑わずに、何をしても許してくれる、受け止めてくれる気になっていたのかもしれない・・・・・・
その思い上がりが椎娜を傷つけて、当たり前にあった日常を壊したんだ。
恋人同士なんて甘いものじゃなく、幼馴染という失わないものじゃなく、今は、関わる事も拒絶された・・・・・・知ってる他人という方が正しい状態に違いなかった。
戻ってきた暁月の手には、いつも用意してくれる珈琲ではなく、黄色の液体。
「ふふ、そういう気分かなぁ~って、優秀な秘書は準備をさせて頂きました。宜しければどうぞ?」
・・・昔からそうだ。
誠司と揉めた時、起業の為の準備が行き詰まったり、余裕がなくなってイライラしている時・・・いつも察した暁月は甘さたっぷりのレモネードを淹れてくれた。
「うちの会社の給湯室にはいつもレモネードが常備されてるの。割とみんな気に入ってくれてるみたいだよ?」
「・・・・・・ふぅん・・・・・・」
「誰かさんみたいに、原液に追加の角砂糖を4つも5つも入れる人間はいないけどね(笑)」
「はっ・・・健康でいいこった。」
「・・・・・・桜太、椎娜さんと何かあった?」
「・・・・・・」
「・・・」
「・・・・・・・・・出て行った。」
「え・・・?出て、って・・・・・・怪我も、まだ・・・・・・」
「・・・・・・壊したんだ。俺が・・・。椎娜が一番嫌悪して、一番されたくない事を俺がした・・・」
「なんで・・・」
「・・・なんでだろうな・・・・・・いつもならもっと上手くやれたのに・・・」
自分でもわからない感情に俺は支配されるまま、笑顔で出迎えてくれた椎娜を無理矢理抱いた。
後悔してもその事実は消せない、変わらない、それが現実として、俺は一緒に眠るのが当たり前になっていたベッドで眠れずに過ごし朝を迎えた。
椎娜がいなくても同じように朝はやって来るのに、静けさしかない部屋に差す光はただ白いだけで虚しさしかなかった。
・・・・・・浮かれていたのかもしれない、椎娜はどこにも行かないって・・・・・・
交わす言葉を約束された確証のある未来だと信じて疑わずに、何をしても許してくれる、受け止めてくれる気になっていたのかもしれない・・・・・・
その思い上がりが椎娜を傷つけて、当たり前にあった日常を壊したんだ。
恋人同士なんて甘いものじゃなく、幼馴染という失わないものじゃなく、今は、関わる事も拒絶された・・・・・・知ってる他人という方が正しい状態に違いなかった。
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