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十四夜【幸福のカタチ】
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しおりを挟む「ねぇ・・・いつつけたの?」
「・・・ゆうべ、桜太が寝てる時・・・。」
「ふぅん・・・いつもは絶対、首につけないのにね。どうしちゃったの?」
お湯で濡れた身体をくっつけて、腕を絡めて逃がさない。
椎娜の口から紡がれる、本音と恥ずかしさを含んだ声が聴きたくて、どうしても意地悪してしまう。
顔にくっつく濡れ髪をよけて頬を撫でて、「ほらほら」と言葉を促すように唇に触れた。
「・・・・・・匂い・・・・・・」
「?匂い・・・?」
「・・・桜太の、匂い・・・嗅いでたら、我慢・・・できなかったの・・・」
・・・・・・ふはァァァッ・・・ッ・・・匂い・・・・・・
上気した頬は、お湯に浸かっていた熱さだけではないだろう。
眉根を寄せて渋々口にする理由が可愛すぎる・・・。
「・・・噛みつきたかったけど、起きちゃうかなって・・・」
「だから、これ・・・?」
「っ・・・ごめん・・・」
目の前にずいっと突き付ける、椎娜の痕跡。
「・・・ふふ・・・いいんじゃない・・・?」
「え・・・?」
「・・・・・・俺、 大事な人にしか許した事ないから。」
指で紅い痕を撫でて、鏡に映る2人を見る。
うん、どうしよう・・・ドキドキしちゃう。
眠ってる俺の匂い嗅いで、我慢出来ずに痕を残すって・・・なんだよ・・・
しかも、噛みつきたかったって・・・!!
・・・どうしよう・・・好きだ・・・
「ちょ・・・ッ・・・や、だ・・・」
「え、なになに、どうしたの?」
突然暴れ始めるから、滑って転んだらまた怪我をしたら・・・
「やだ・・・ッなんか、桜太えろいッ・・・!!」
「えっ・・・えろ、いって・・・俺どうしたらいいの??」
「なんか、恥ずかしいっい、い、一旦っ落ち着こっ?!」
「椎娜がねっ?!(笑)もう、どうしたんだよ(笑)」
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