徒然なる恋の話

焔 はる

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十三夜【溺れるものは真夜中に溶け合う】

13-16

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「桜太・・・食べたい・・・?」

生クリームたっぷりのショートケーキを桜太の唇にほんの少し触れさせて。

ちょん、ちょん・・・と白いクリームが付着した桜太の唇。

「・・・食べても、いいよ・・・?」

見つめて許可を与えれば、危うさを秘めて揺れたのは、淡いブルー・・・

開かれていく唇に、白い歯の隙間を割って、指を侵入させていく。

温かく、濡れた舌がケーキを舐め取り咀嚼して、喉が動いて飲み込んだ音・・・

ちぅ・・・ちゅぱ・・・と音を立てて指を綺麗にする様・・・

私は自分の身体の奥深い場所に桜太を飲み込みながら眺めていた。


・・・好きだな・・・

桜太が食べてる姿・・・

そして今、私にそれを委ねている・・・


いつも私を快楽の淵に突き落として、さもヒーローのように救い上げてくれるけれど、本当は、ヒーローなのに、美しく淫らな獣で、私を食らい尽くす事を甘美な悦びと思っていそうな桜太が、こうして私から与えられたケーキを本当にご褒美のように体内に受け入れている・・・

その事実に私は、身体が新たな蜜を生む程興奮していた。

セックスという行為の最中に、関係ない話に脱線したり、違う事をしたり、シャワー事件が起こったり、私たちにはよくある事。

でもそれによって気持ちが削がれたり、桜太が・・・萎えたりなんて全くなくて、今も私のナカに沈んだままのソレは、硬く時折ビクッ・・・と反応を示しながら、この行為を楽しんでいるようだった。

・・・Mではないはずの桜太・・・。

けれど、こうして私のペースで好きにされる事で興奮するの・・・知ってるんだ・・・。
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