徒然なる恋の話

焔 はる

文字の大きさ
上 下
459 / 617
十一夜【空白の後は濃密に愛して】

11-35

しおりを挟む

「唇、閉じて・・・」

「ん・・・」


椎娜の言葉通りに唇を閉じて、指示にはないのに瞳も閉じた。


・・・見えない・・・

・・・ドキドキする・・・


「・・・桜太・・・ナカでドキドキしてる・・・」

「だっ・・・~~ッ・・・ドキドキ、するよ・・・仕方ないじゃん・・・」

「・・・かぁわい・・・おぅちゃん・・・」

「ん・・・」


ぺろっ・・・唇をひと舐めされ、次を期待して待てば、なかなか次はやってこない・・・。


「・・・しぃな・・・?」


少し不安になり、目を開けて椎娜を見下ろせば、ふふふ、と楽しそうに笑う。


「なぁに?どうしたの??」

「・・・なんで・・・見てるの・・・」

「ん~・・・?綺麗な顔だな~って。」


椎娜の手が頬に触れて、鼻梁を撫で、唇に触れた。


「・・・・・・キス、して・・・くれないの・・・?」


唇に触れる細い指先を咥えて、甘噛みをしながら、おねだり・・・


「・・・してるよ?ちゃんと。ココで。」


っ・・・!ち、が・・・っ!

もっぅ・・・・・・ナカで、じゃなくて・・・!

どうしよう・・・完全におねぇさんに遊ばれている・・・


「んンッ・・・っ・・・ソコじゃ、ない、よ・・・唇で、シたい・・・しぃちゃん・・・」

「・・・欲張りだなぁ・・・おぅちゃんは・・・」

「・・・全部、椎娜の全部欲しいの、俺・・・」

「・・・・・・ばか・・・もう、全部桜太のなのに・・・」

「・・・ん・・・」


・・・やっと、重なった唇・・・。

ばか、と言うのは、それはたぶんお互いの癖・・・。

好きすぎて困った時・・・

愛しすぎるのに、それ以上に言葉を持ち合わせていなくて、伝えたいことは溢れるのに言葉が見つからない時、可愛さ余って、「好きばか」と変換される。


与えられる口づけ。

はむはむと唇を食べられて、上下の唇は甘噛みされて吸われ、差し出した舌先は齧られた。


・・・あ・・・やば・・・

今、噛み切られたら俺死んじゃうじゃん。

命すら、愛しい彼女に握られている。


「んンッ・・・桜太・・・また、おっきくなった・・・ぁ・・・」


「ごめん・・・興奮しちゃった・・・」


「ふ、ぅ、んン・・・ん・・・く・・・」


今度は俺が深く唇を重ねて、堪能する番。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

処理中です...