徒然なる恋の話

焔 はる

文字の大きさ
上 下
443 / 617
十一夜【空白の後は濃密に愛して】

11-19

しおりを挟む
なんでも気持ちは伝えたい。

そう決めたけど、恥ずかしい思いもある。

けれど、男としてカッコ悪くても、椎娜が安心するなら、気持ちがほぐれるなら・・・俺でよかったって思ってくれるなら、それでいいんだ。

・・・だから、俺も少しだけドキドキしながら言葉にする。

「だってさ・・・なんか、そんな風に思われてるのに、好き、可愛い、たまんない、とか必死になってるの想像してみてよ・・・物凄く滑稽じゃない?馬鹿みたいじゃない?俺、・・・彼女がどう思ってるかもちゃんとわからないで腰振んの・・・?恥ずかしすぎる・・・吐きそうになるよ・・・」

「・・・(笑)」

「・・・よかった、笑った。」

もう、本当にそれ。

椎娜が笑ってくれたならそれでいい。

男としてダサくたって、椎娜が1人緊張して、ドキドキしてなくたっていいんだよって、わかってくれたらそれでいい。

「え・・・」

「だからぁ・・・そんな、ガッチガチにならないで、なんでも言いなさいよってこと。はい。」

両手を広げて差し出して、触れた椎娜の両手。

包帯を巻いた痛々しい右手と、無事な小さい左手。

「俺の手はなんだと思う?」

「・・・?なんだと・・・?」

・・・(笑)なんだと、って・・・(笑)

漫画かアニメでそんなセリフあったな、と笑いそうになった。

けれどそれは堪えて拾わずにスルーして、

「俺の手はねぇ・・・まず、椎娜を可愛がる為にあるでしょ~。あと・・・俺の手は稼ぎます。がっぽりとね。そんで~・・・椎娜を守る・・・そんでそんで~・・・・・・可愛がる・・・」

「2回言った・・・(笑)」

気づいた椎娜は拾って笑ってくれる。

「あはは、大事な事だからね。あと~・・・」

重ねた右手をゆっくり引いて、抵抗がないのを確かめて俺の腕にすっぽりと納めた。


あ~・・・大好きな子・・・。

もう・・・愛しくて仕方ない女の子・・・。


頭に頬ずりをして、ぎゅっと抱きしめて・・・


ぎゅぅっっ・・・っと抱きしめた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...