424 / 617
十夜【それは記憶と結びつくから。】
10-15
しおりを挟む-----------------------------------
「・・・・・・」
・・・腕の中には俺に背を向けて、包帯を巻いた右手をベッドに投げ出して眠っている椎娜。
ゆうべは椎娜に弄ばれ、いいように翻弄されてしまった。
・・・結局、計2回・・・。
不満なのか、と聞かれたら不満なわけない。
・・・気持ちよかったデス。
「・・・しぃな・・・」
ぐっすり眠っていて返事はないけど、意味もなく名前を呼びたくなる。
呼んでみると、嬉しい。
くすぐったくて、胸が温かい。
指先までまだ少し腫れが残っている右手。
早く治るといいな・・・。
「・・・・・・な、に・・・・・・」
指先に触れていたら、目を覚ました椎娜がモゾモゾと動いて俺の手を握る。
ぐぐぐっ・・・っと身体を伸ばして、絡めた指を1本1本確かめて触り、顔に引き寄せた手のひらに顔を埋めた。
「・・・それ、楽しい?(笑)」
ぼふっと顔を覆った俺の手のひら。
「落ち着く・・・。」
「そうなの?臭くない?」
クンクン・・・スンスン・・・
「・・・・・・たぶん」
「ちょっと。」
「臭くはない。いやではない」
「・・・複雑~」
「ふふ、大丈夫。」
・・・落ち着くって言ってるし、まぁ・・・いっか。
「・・・おぅた・・・まだしばらく忙しいの?」
「週末、休めそうだよ。」
「・・・・・・一緒にいられる?」
!!!!!!
それは・・・っ
遠回しに、遠慮しながらも、寂しい、一緒にいたいっていうアピール・・・!!
指を絡めて、握ったり離したり。
・・・手のひらを合わせて、比べたり。
はぁ・・・
なんなのなんなの・・・
可愛すぎる・・・朝から可愛すぎる・・・
「・・・いられる。椎娜といないでどうするの。」
「・・・・・・たぶん、生理終わる・・・・・・」
・・・おっと・・・それは・・・
「・・・いちゃいちゃしたいんですが・・・」
「!・・・んだよ・・・それ・・・あ~~!もうっ!!」
たまらん・・・やば・・・朝から元気になっちゃう・・・(悲)
椎娜をぎゅっと抱きしめて、向かい合うように体勢を変える。
「・・・週末、覚悟しといてよ。めちゃくちゃ可愛がるから。」
生きるために休養は必ず必要。
健康な肉体の維持と、疲れた精神の休息のため。
そして、愛してる子を『愛し尽くす』ため。
・・・ふふ・・・ふふふ・・・週末が楽しみだな。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる