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十夜【それは記憶と結びつくから。】
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しおりを挟む「ねぇ・・・桜太・・・ねぇ・・・」
「・・・・・・やだ、ほんと・・・悪いおねぇさん、やだ・・・っ」
「・・・(笑)でも、きもちよかった、でしょ??」
「・・・きもちよかった・・・っ・・・うぅ・・・恥ずかしい・・・」
「桜太くん・・・弄ばれちゃったね、悪いおねぇさんに・・・」
「!ほんっ・・・もぅっ・・・くそっ・・・悔しい!」
こんな余裕なく、恥ずかしいくらいアッという間に暴発もいいところ。
視覚的にイカされてしまった・・・。
なんだよほんとにっ・・・こんなやらしさ反則だろ・・・!
シャワーを浴びたのに俺は自分ので汚れたTシャツを脱ぎ、椎娜は嬉しそうに愉しそうに笑いながらティッシュで左手を拭っている。
どうせだからもう1度シャワー浴びてこようかな・・・ベタベタだし・・・
「・・・シャワー浴びてくる・・・」
恥ずかしさで意気消沈・・・
「私も手洗う」
2人で洗面所に向かい、こんな風にしている事が段々と違和感もなく当たり前になっているとふと気づいて嬉しくなった。
幼馴染から彼女になっても、なんとなく距離があって、遠慮があった椎娜が、段々心を開いて俺に自分を見せてくれているのがわかるし、自分を許してくれているのを感じる。
-----------------------------------
「それで?さぁさぁ、次はしぃちゃんの番じゃないかい?」
短時間で2度目のシャワーを終え、俺はベッドの中で椎娜と向かい合う。
悪いおねぇさんにスッキリさせてもらったおかげで、変に気持ちは落ち着いているし、なんだか目は冴えてさえいる。
逆に椎娜は眠そうだけど。
「みんなでお出かけは楽しかった?」
「うん、楽しかった・・・あ、冷蔵庫にナツさんが作ってきてくれたお弁当あるよ。」
「そっか、朝になったら一緒に食べようか。」
「・・・ん・・・」
おーい、おねぇさ~ん。
完全におねむじゃないか。
「し~ちゃ~ん。眠そうですね」
「眠い・・・桜太、あったかくて眠い・・・」
・・・キュンてした。
「・・・ねぇ、俺が浮気したと思った?」
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