徒然なる恋の話

焔 はる

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九夜【真昼のぬくもり】

9-6

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「だって・・・可愛いくないわけない・・・そんなに私を好きな彼氏・・・」

「・・・可愛くしてたら、可愛がってくれるの・・・?」

・・・意外な言葉。

けど、まぁ・・・

「そうだなぁ・・・可愛がってあげようかな・・・?」

「・・・俺・・・Мじゃないと思ってたけど・・・椎娜がたまにSっぽい事言ったりするの、ドキっとして勃ちそうになる・・・」

「・・・ばか・・・」

真面目な顔で何を言うんだ・・・。

付き合うようになってからわかった事・・・嘘をつかないという良いトコロは、こういう事も素直に言ってしまう作用があるようで・・・少々返答に困る・・・。

「ほら、そろそろ仕事行く準備しないといけないんじゃない?」

桜太の頭を撫でて、身体を起こすように促す。

・・・こんな、大型犬みたいな男にのしかかられたままでは、使えるのが片手だけの私は1人では起きられない。

「・・・はぁい・・・」

御不満です、と雰囲気、表情、口調、態度、伝えられる全てで表して、桜太は私を抱えて起き上がった。

「・・・あ、よかったら俺さ・・・」

「ううん、大丈夫。」

「え、まだ言ってないよ?!?」

「ううん、言葉にしなくてもわかる。大丈夫。」

「そ、そんなさぁ~・・・違うかもしれないし・・・」

「ううん、大丈夫。」

「・・・わかりましたよぅ・・・」


桜太が言いたかったのは、『ホックを嵌めるのが大変なら、俺が着けてあげようか?』に他ならない。

皆まで言わずとも、桜太がやりたそうな事なんてお見通しだ。


・・・させてたまるか・・・それはさすがに恥ずかしい・・・


「・・・ね、しぃちゃん・・・い、いっかいだけ・・・」

「・・・おぅちゃん」

「・・・はい・・・」


なんでそんなにしたいんだろう・・・


「・・・外すことはあっても・・・着ける事なんてないからやってみたかったのに・・・」


お~い、欲求がだだ漏れですよぉ~~

拗ねた桜太の口からデロ~~~ッと零れた欲求。


仕方ないな、と口を尖らせて、桜太は仕事に行く準備を始めた。

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