徒然なる恋の話

焔 はる

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八夜【決別は未来への決意】

8-41

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俺の足の間にある小さな膝。

絡めた指先を弄り、指のカタチ、爪のカタチをなぞる。

目の前にいたら触れたい。

一緒にいたら触れていたい。

・・・とりあえず、触っていることが好きで、いる事を確かめていたくて、椎娜に触れることが無意識の趣味。

「この姿はお好みじゃないのかなって思ったんだけど・・・違うの?」

「・・・違う」

「そうなの?」

椎娜がどういう言葉を返してきたっていいんだ。

こういうやり取りが楽しくて、2人でいられるこの時間、空間が楽しくて嬉しくて、どんな話しでも、椎娜が自分の言葉で話してくれる気持ちを俺は聴きたい。

どう言えばいいか、どんな風に伝えればいいか、悩んで考えて、言ったらダメかなとか考えてるのもわかるけど、何か言いたいんだろうなと思うから・・・



「・・・・・・すごく、ッ・・・さぞかし・・・!」


・・・お・・・??

どうしたどうした・・・


「??え、??う、ん・・・??」


「~~!おモテになったんでしょうね!!」


・・・・・・ん・・・・・・?


それは・・・えっと・・・・・・


椎娜自身が、やってしまった、という顔をしている。

言いたいことを熟考したのに、口から出た言葉のチョイスを間違ったらしい。


ほんとさ・・・こういうとこ・・・可愛くて、可愛くてたまらないんだよね・・・。


取り返しつかないな、うん、言っちゃったもんね、あぁ・・・やっちまったな・・・そんな思考が顔にバッチリ書いてある。


「・・・えっと・・・それは・・・?俺の都合よく解釈していいなら・・・カッコイイから、バイトの時モテてたんじゃないですか?ってこと?」


はぁ・・・

そういうこと・・・??


バイトしてるところ見たかったなっていうのも、素直にこの姿の感想を言いたくなかったのも、自分は見てなかったのに、それが仕方ないのもわかるけど、なんか面白くない・・・お客さんの女の人にモテたんでしょうね、っていうこと・・・?

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