徒然なる恋の話

焔 はる

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八夜【決別は未来への決意】

8-37

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私に教えずに、気づかせずに、この事は自分の中に秘めたままにするつもりだったんだろうけど、私の過去の一部を桜太の中にだけ残してのうのうと付き合うなんてしたくない。


・・・桜太と一緒にいるって決めたんだから・・・


「・・・岐津さんが言ってた、賢い子っていうのがこんなに厄介だったなんてな・・・。別に、俺が黒木からどんな写真を見せられようが、揺さぶられて怒りが沸こうが、椎娜が気にすることは1つもないんだよ・・・」


「・・・」


「過去の椎娜は救えなかった・・・。椎娜が傷ついてたその時に逃げたのは俺がガキだったから・・・。でも、今の俺なら守ってやれる、嫌というほど愛してやれる。腹が立って、黒木を殺してやりたいと思っても、それ以上に椎娜を愛して可愛がってやりたいんだよ・・・。だから、もう謝らなくていい・・・。過去はなくならなくても、もう縛られなくていんだ・・・。忘れられなくても、それがあることを罪のように思って俺に遠慮するな・・・」

「・・・桜太の・・・」

「うん・・・」

「・・・そういう・・・」

「・・・・・・うん・・・」

「隠し持ってる名言・・・ぐす・・・」

「え・・・名言・・・?てかなんで泣くんだよ~もぉ~(笑)」

「笑わないで・・・っ聞いてよ・・・」

「ごめん、可愛くて」

腕に閉じ込めて、反論しながら鼻を啜る私の背を撫で、頭をぽんぽん、ぽんぽん叩き、桜太は「泣き虫だよね~」と笑う。


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