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八夜【決別は未来への決意】
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しおりを挟む「椎娜、大丈夫?疲れた?」
持ってきた私の荷物を桜太が家に運び入れてくれて一息ついた頃。
並んで座るソファーで私はふわふわと眠くなっていた。
「・・・ん・・・眠い・・・」
「ここじゃなくてベッド行って寝な。」
座っているのが怠くて桜太に寄りかかる私の頭を、何度となく安心感を与えてくれた大きな手が撫でる。
車で話をしていた時から、昨夜から続く感情の不安定さは怪我による熱だけじゃなくて、もしかしたら・・・という体調の変化は感じていた。
それに加えて、この眠気・・・
「・・・ちょっと、おトイレ・・・借ります」
桜太から離れて、念の為荷物の中からそれを取り出してお手洗いへ・・・。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・やっぱり・・・・・・・・・・・・
「桜太・・・」
「ん?どうした?」
手にしていたスマホをテーブルに置いた桜太が顔を向けた。
「・・・あのね・・・さっきの話の後でとても言いにくいのですが・・・」
「・・・?なに、どうしたの・・・??」
言いにくい・・・
事実として言えばいいだけなのに、言いにくい・・・
「・・・しいな・・・?」
「あのねっ・・・その・・・せ、・・・生理、きた・・・」
「・・・・・・せ、いり・・・?あ、うん・・・生理きたのね・・・うん・・・」
「・・・・・・なんか、ごめん・・・・・・」
「え、なにがっ?!」
「・・・あんなに中出ししてもその・・・」
「いや、椎娜が謝ること何もないよね、デキても何も問題ないと思ってたのは本当だけど、つくろうと計画したわけじゃないし。それにその・・・あんなに中出ししたのにって言われるとなんか恥ずかしいんですが・・・」
「いつも・・・このタイミングで生理くるとか周期的にもなくて、あと本当に周期なんてないようなものなの・・・だから、まさか今日来ると思ってなくて・・・ゆうべから精神的におかしかったのとか、私結構そんな感じで・・・忘れてた・・・ごめん・・・」
自分がPMS(月経前症候群)が酷い事を完全に失念していて、ゆうべは桜太にめちゃくちゃな態度を取っていた。
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