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八夜【決別は未来への決意】
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しおりを挟む「・・・冷たいかな・・・けどね、それなら、『私はこう思ってる』、『こうしたい』っていう希望を聞きたい。それを叶えるためにどうしようかな、って動けるからね。尚更、好きな女の為ならそうだよ・・・。ごめん、脱線した。だから、とりあえず椎娜は、勝手に俺の気持ちを想像するくらいなら、直球で聞いて、図々しく堂々と彼女です!!ってしててよ。」
「・・・うん」
「何それ、なんか納得してない?(笑)」
「違う・・・なんの話だったかわかんなくなった・・・」
「(笑)ほら、話してくれたのは大切な話だけど、自分の中で想像してた相手の気持ちとは違うでしょ?だから、自分で見て、聞いたものを信じてみなよ。」
前にも、やはりこんなことがあったと思う・・・
桜太がそうやって、後ろ向きな私の気持ちを前向きに方向転換して、気づくといつの間にか何が不安で後ろ向きになっていたのかわからなくなっている。
「会いたいから来い、って言われる方が嬉しい。ちょっと、椎娜、言ってみてよ。」
・・・え、なに、突然・・・
「ねぇ、ちょっと俺に強めに言ってみてくれない?てか、なんかおデコ赤いけど。」
手を繋いだまま、桜太は私の額に触れて不思議そうにする。
「・・・さっき、桜太が引っ張った時に、鎖骨にぶつかったの。」
「・・・マジか、ごめんね。」
そっと撫でて、唇が触れる。
「桜太、そういうの、誰にでもするの?」
「・・・誰にでも、とは・・・?」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・元カノ?」
「・・・・・・平たく言えば」
「・・・・・・・・・してたかもしれない、してないかもしれない。自然にしてたなら覚えてない。あと、椎娜、平たくって好きだね・・・(たぶん素直に言えない時なんだろうけど・・・)」
「・・・・・・」
「ヤキモチ?」
「ノーコメント」
「ふっ・・・ヤキモチ、嬉しい。」
「ばかじゃない」
「ヤキモチ、めっちゃヘタクソ・・・(笑)なんだよ、言えばいいじゃん、『私以外にしないでよ!』って(笑)」
「なっ!私っそんな言い方しないよ・・・!」
全然似てない桜太の下手くそな私のモノマネ。
そんな、ブリブリにめちゃくちゃ女子っていうブリッコみたいな言い方しない!!したこともないのに!!
「今俺が椎娜以外の女に触りたいと思う?」
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