徒然なる恋の話

焔 はる

文字の大きさ
上 下
308 / 617
七夜【大切なもの、守りたいもの】

7-62

しおりを挟む
ビニールでグルグル巻き状態から解放されて、涼しくなった右手。

「痛くなったり、具合悪かったりしない?」

「うん、大丈夫。あのね・・・1人でできないのあった・・・」

「・・・・・・それは、あいしあ」

「違うよ。」

期待に染まる瞳と言葉、それを食い気味に遮った。

「・・・ちがくはないのに・・・愛し合うのも1人じゃできないのに・・・」

「でも、今は違うよ」

「・・・はぁい・・・」

少し拗ねた桜太が、肩に乗せたタオルが濡れ髪から滴る水を受け止めるのを見ながら指先で触れる。

「いいもんね、髪乾かしてあげるの好きだし・・・俺好みにできるからさ・・・」

ドライヤーをかける、というのは片手じゃどうやっても無理で、これは桜太にお願いすることにした。

ベッドに座り直した桜太の足の間に座り、初めてここで桜太に抱かれた日のようにラグに私は座った。

あの日までは、今までと何も変わらない『幼馴染み』だったのに・・・今では、甘々が当たり前、甘やかすのがルーティン、テンプレのような桜太と、それが擽ったくて嬉しくて、愛しくて、好きが一気に大きくなった私・・・。

「なんか・・・はじめてシた時思い出す。」

桜太には背を向けているので油断していた。

桜太の言葉にドキッとして、同じことを考えていたんだと知って顔がニヤけてしまう。

「・・・初めてシた時は、『おっきい、入んない』って言って泣いてたのに、今は自分から欲しがるやらしい子になっちゃって・・・ねぇ・・・もう、平気なの?慣れた・・・?俺のカタチに・・・」

「!・・・そ、ッ・・・そんなの・・・っ」

ドライヤーを遠ざけ、髪をかけて剥き出しになった耳に低く響かせて吹き込む甘い声は、胸をきゅぅっと締め付け、お腹の奥深い場所を切なく疼かせる。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...