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七夜【大切なもの、守りたいもの】
7-60~side by 椎娜~
しおりを挟む人生初の骨折、しかも利き手。
昨夜の最後の記憶は、駄々を捏ねて桜太を困らせているところまで・・・。
目が覚めて、桜太が夜中にコンビニで買ってきてくれていたおにぎりやゼリー飲料をお腹に収め、薬を飲んで職場に事情を話す為連絡をした。
真実は話せないので、転んで右手を複雑骨折をしたことと、申し訳ないが有給消化が始まるまでの日数を休めないか聞いたところ、私を嫌いな女性上司は嫌味を言いながらも、『もう顔を合わせなくて良いからいいわよ』と、機嫌よく了承してくれた。
・・・彼女が私を嫌いな理由は、男好きで社内、社外問わず手を出していた彼女を軽くあしらい、誘いに乗らなかった男性社員が私を気に入っていたこと。
気に入っていたと言っても、2年先輩である男性社員が私の教育担当で、私たちにとっては『仕事上』普通の先輩後輩でしかなかったけど、それを女性上司は私が彼を誘い・・・と所謂ヤリマン、ビッチだという噂を流した。
それに乗ったのが、女性上司と関係を持った事がある男性達。
女性上司にどう言われたのか、私に対して性的な嫌がらせの言動が増えた。
自分が相手にされなかっただけなのに、とんでもない逆恨みから始まった嫌がらせ。
セクハラに関しては、私が受け流して相手にしないことにイラつき、ついには自分が関係を持った男を脅して私を襲わせ、これは結果的に未遂で終わり、犯人は翌日に自主退職していた。
本人がいなくなってしまったので、黒幕が誰か証言者もなく、解決には至らなくて、その後も嫌がらせは続き、エスカレートして終いには、クライアントへの納品データを削除されたり、連絡を伝えない、嘘の連絡をする等私への
嫌がらせレベルでは済まないところまできていた。
それに激高したのは教育担当の男性社員で、更に上の上司に相談したけれど、『まぁ・・・証拠もないし・・・本当に君のミスじゃないかもわからないし、気をつけて。』とだけで、何も解決せず、何も変わらず、私の中で気持ちが切れた。
それでも好きな仕事だからといって我慢して頑張ることに疲れ果て、クライアントにも迷惑をかけて、その会社にしがみつく必要はあるのか考えた時、ないじゃないか、と結論が出てしまった。
味方をしてくれた教育担当の男性社員に辞める話をした時、「すまない、何も出来なくて」と唇を噛み、悔しそうに謝る姿を思い出すと申し訳なくて胸が痛んだ・・・。
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