徒然なる恋の話

焔 はる

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七夜【大切なもの、守りたいもの】

7-53

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室内に戻り、灯りを落としたリビングにあるベッドを覗くと、変わらずに同じ体勢で眠っている椎娜。

額や首に触れるとまだ熱く、けれど様子に変化は無いことから朝まで様子を見ることにして、椎娜が眠っている間にシャワーを浴びた。
 


ーーーーーーーーーーーー



料理、苦手なの。

椎娜の言葉が蘇る。

「・・・何も無いな・・・」

シャワーを浴びて開けた冷蔵庫には、本数の減ったチクワ、缶詰数種に調味料・・・

ペットボトルのお茶、アルコール・・・

「・・・腹、減ったな・・・」

最後に食べたのは、遥か昔、昨日の日中、椎娜からの連絡がくる数時間前、誠司と入った定食屋。

もう1度椎娜を見に行くと、寝返りを打ってはだけて、上半身が丸見えで眠っていた。

布団を掛け直して、俺は自分が食べる物と、椎娜が起きたら食べられそうな物を買いにコンビニに行く事にした。


わざわざこんな時間にコンビニに行くなんて最近ではあまりなく、億劫に感じるなんて歳をとったのか、大人になったのか、と人の往来のない住宅街を歩き、再び感傷的になっている気がした。


パン、ツナマヨおにぎり、サラダ、サンドイッチ、ゼリー飲料、飲み物、レジ横のホットスナックから唐揚げや焼き鳥も買ってしまった。


何かあった時運転出来ないと困るからアルコールは飲めないけど、腹を満たせそうな美味しい誘惑には勝てない。


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