徒然なる恋の話

焔 はる

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七夜【大切なもの、守りたいもの】

7-37

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「よい、しょ・・・」

「大丈夫?支えてるからゆっくりでいいよ。」

「うん、大丈夫。」

利き手である右手が使えず、車に乗るのも大変そうな椎娜を支えてシートに乗せ、シートベルトを締める。

「もし大変なら後ろでもいいからね。」

「ありがとう」

左ハンドルだったのがまだよかったかもしれない。

乗る時に掴まったりするのは左手だからだ。

それでも片手での生活が暫く続くかと思うと、不便だろうなと可哀想になる。

「荷物取りに1回家寄る?」

「あ、うん、寄ってほしい」

「「・・・なんか」」

タイミングが被り顔を見合わせて笑う。

「なんか、2回目だな、このクダリ。」

「ね。」

「前の時は、なんか慣れてるとか遊んでる、って言われた」

「・・・今は思ってないよ?」

「当たり前でしょ、椎娜にしかしない。」

「ふふ・・・」

「なにそれ(笑)」

意味ありげに笑うのを、頬をムニっと摘む。

「・・・わかんない、・・・嬉しいなって。」


・・・・・・

はぁぁ・・・ばか・・・ばか・・・ばかやろぅ・・・


「・・・だめ、やめて、可愛くしないで。」


運転中だし、椎娜は怪我してるし、思い切り抱きしめられもしないのにそんなこと言うな・・・。


とりあえず、あとで、キスだけはめちゃくちゃする・・・絶対してやる・・・。


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