徒然なる恋の話

七夜【大切なもの、守りたいもの】

7-1～side by 桜太～

３時間ほど眠り、スマホのアラームが起動して振動する音で目が覚めた。

腕の中にいる椎娜はグッスリと深い眠りの中だ。

このまま温もりを抱いて二度寝･･･というわけにもいかず、椎娜を起こさないようにベッドから這い出てバスルームに向かう。

熱めのシャワーで眠気を飛ばしてぼんやりとした頭を切り替える。

･･･あぁ･･･椎娜といちゃいちゃしたい･･･

鎖骨と左胸、心臓の上に紅く存在する、椎娜のシルシ。

｢付けたい｣と言われた時は、椎娜がそう思うなんて思ってもいなかったから、嬉しくて心躍って、そんな可愛いお願い聞かないわけないじゃんか、と身体を差し出した。


･･････俺が、椎娜のものっていう所有の証･･････


あ～～いちゃいちゃしたいっ･･･！！


なんで俺、こんなに忙しいの？


打ち合わせとか、暁月や蓮、誠司だっていいんじゃないの？！


･･･狂いそうになる･･･いちゃいちゃしたい･･･


結局はその気持ちが勝ってしまうが、涙を飲んで、身支度を整える。

冷蔵庫から取り出した炭酸水を喉に流し込んで、身体に刺激を与え、スマホを充電器に差して、リビングのＰＣを立ち上げる。

出かけるのは９時頃。

それまでに、夜中に届いたメールをチェックし、返信をして指示を出し、取り引き先からの連絡、新しく顧客となりそうな企業との打ち合わせ予定等に目を通す。

充電中のスマホにLINEが来ているのに気づいて目を通すと、それは岐津さんから。

･･･

･･････

あまり穏やかな話ではないその内容に、昨日椎娜がお世話になったお礼を返して、あとで電話することを伝える。