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六夜【求めよ、さらば救われん。】
6-4
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「・・・桜太は幸せだな。」
ため息混じりにふっと笑い、岐津さんは煙草に火をつけた。
「・・・・・・その桜太から伝言。」
岐津さんは、スマホの画面を私に見せる。
『椎娜に変なことしないでくださいよ!!!
あと、椎娜が美味しそうに食べてる写真送ってくれるなら、食事許可します。』
「・・・だってさ。羨ましい限りだよ、相思相愛じゃん、って、なんで泣くかな(笑)」
「・・・っ・・・すいません・・・桜太が、絡む、と・・・最近、涙腺、弱く、て・・・っ」
「・・・俺は拭ってやれないから、自分で拭きな。そんで、美味い肉食いに行こ。」
困ったように笑いながら、人波との間に立ち、壁になってくれる。
涙を拭いて顔を上げると、岐津さんが歩き出し、その後をついてゆく。
それは次第に並んで歩くようになり、岐津さんが自然と歩幅と速さを併せてくれたのだと気づいた。
「・・・ん?どうかした?」
「いえ・・・ありがとうございます。」
目が合うと、何故か少し目を見開いて笑う。
「あんまり、それにお礼いう女いないよな。気付く君もなかなかだけど・・・当たり前に思わない辺り・・・まぁ、桜太が選んだ子だなって。」
「そうですかね・・・」
「・・・まぁ、そういうところなんだろうね。」
柔らかく微笑って、それ以上は言わず、並んで歩いた。
歩きながら、行き交う人の目、特に女の人がチラチラと岐津さんを気にしながらすれ違うことに気づき、チラっと見上げると、本当に整った綺麗な顔立ちをしていらっしゃる・・・ついそんな言葉を選ぶ程・・・。
けれど、人様の容姿をそんなに気にして見ていたら無礼だろう・・・。
思考を切りかえて、気になっていたことを聞いてみた。
ため息混じりにふっと笑い、岐津さんは煙草に火をつけた。
「・・・・・・その桜太から伝言。」
岐津さんは、スマホの画面を私に見せる。
『椎娜に変なことしないでくださいよ!!!
あと、椎娜が美味しそうに食べてる写真送ってくれるなら、食事許可します。』
「・・・だってさ。羨ましい限りだよ、相思相愛じゃん、って、なんで泣くかな(笑)」
「・・・っ・・・すいません・・・桜太が、絡む、と・・・最近、涙腺、弱く、て・・・っ」
「・・・俺は拭ってやれないから、自分で拭きな。そんで、美味い肉食いに行こ。」
困ったように笑いながら、人波との間に立ち、壁になってくれる。
涙を拭いて顔を上げると、岐津さんが歩き出し、その後をついてゆく。
それは次第に並んで歩くようになり、岐津さんが自然と歩幅と速さを併せてくれたのだと気づいた。
「・・・ん?どうかした?」
「いえ・・・ありがとうございます。」
目が合うと、何故か少し目を見開いて笑う。
「あんまり、それにお礼いう女いないよな。気付く君もなかなかだけど・・・当たり前に思わない辺り・・・まぁ、桜太が選んだ子だなって。」
「そうですかね・・・」
「・・・まぁ、そういうところなんだろうね。」
柔らかく微笑って、それ以上は言わず、並んで歩いた。
歩きながら、行き交う人の目、特に女の人がチラチラと岐津さんを気にしながらすれ違うことに気づき、チラっと見上げると、本当に整った綺麗な顔立ちをしていらっしゃる・・・ついそんな言葉を選ぶ程・・・。
けれど、人様の容姿をそんなに気にして見ていたら無礼だろう・・・。
思考を切りかえて、気になっていたことを聞いてみた。
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