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五夜【甘い戯れと赦し】
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さらに揺れる瞳は、少し傷ついたように。
「・・・他の女の人を抱くくらい、嫌だったの・・・?」
「・・・」
背中に回された手がビクッと動く。
「・・・そうなら・・・」
桜太が、上書きしてくれたらよかったのに・・・
そんな、今更どうしようもないこと・・・思ってもどうしようもないこと・・・
桜太が悪いわけない・・・分かっていても、もしもそうだったなら、あの頃の私は少しは救われていたかもしれない・・・と、消せない、変えられない過去の自分が顔を覗かせる。
「・・・付き合ってる、それだけで何をしてもいいと思ってる、そんな男に抱かれたのを桜太に知られた・・・汚くて、軽蔑されて、あぁ、だから桜太は私を避けるようになったんだ、って・・・思ってた・・・」
無意識に抑えた手首。
体温が上がると浮かぶ、忌まわしい古傷。
それに気づいた桜太が、両手首に視線を這わせ、
「・・・え・・・」
「・・・ね・・・?穢いでしょ?」
私が初めてだということに異様に興奮していたその男は、目を血走らせて私をベッドに押し付けると、制服のズボンからベルトを外して手首を拘束した。
付き合う事の意味、優しかった先輩の変貌、抵抗したら首に手がかかり、ひたすら心を殺して、彼が飽きて私を解放するまで耐えていた。
擦り切れて血が滲んだ手首は、傷が癒えてからも体温が上がると薄く赤付いて色が浮かぶ。
異性、他人と身体を繋げる意味、必要性・・・
好意は性行為への言い訳、大義名分のようで、それがあれば、女性は受け入れなければいけないような男性優位な<付き合う>という関係にも思えた。
そうじゃない人もいるかもしれない・・・
満たされない心の寂しさを、心に居座る鉛の正体を、人を好きになった先にあるのが、ソレだけではないと・・・誰かを本当に愛せたら、愛されたら、あの時の私は癒されるんじゃないか、って・・・どこかでずっと探していた・・・。
「・・・他の女の人を抱くくらい、嫌だったの・・・?」
「・・・」
背中に回された手がビクッと動く。
「・・・そうなら・・・」
桜太が、上書きしてくれたらよかったのに・・・
そんな、今更どうしようもないこと・・・思ってもどうしようもないこと・・・
桜太が悪いわけない・・・分かっていても、もしもそうだったなら、あの頃の私は少しは救われていたかもしれない・・・と、消せない、変えられない過去の自分が顔を覗かせる。
「・・・付き合ってる、それだけで何をしてもいいと思ってる、そんな男に抱かれたのを桜太に知られた・・・汚くて、軽蔑されて、あぁ、だから桜太は私を避けるようになったんだ、って・・・思ってた・・・」
無意識に抑えた手首。
体温が上がると浮かぶ、忌まわしい古傷。
それに気づいた桜太が、両手首に視線を這わせ、
「・・・え・・・」
「・・・ね・・・?穢いでしょ?」
私が初めてだということに異様に興奮していたその男は、目を血走らせて私をベッドに押し付けると、制服のズボンからベルトを外して手首を拘束した。
付き合う事の意味、優しかった先輩の変貌、抵抗したら首に手がかかり、ひたすら心を殺して、彼が飽きて私を解放するまで耐えていた。
擦り切れて血が滲んだ手首は、傷が癒えてからも体温が上がると薄く赤付いて色が浮かぶ。
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好意は性行為への言い訳、大義名分のようで、それがあれば、女性は受け入れなければいけないような男性優位な<付き合う>という関係にも思えた。
そうじゃない人もいるかもしれない・・・
満たされない心の寂しさを、心に居座る鉛の正体を、人を好きになった先にあるのが、ソレだけではないと・・・誰かを本当に愛せたら、愛されたら、あの時の私は癒されるんじゃないか、って・・・どこかでずっと探していた・・・。
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