徒然なる恋の話

五夜【甘い戯れと赦し】

5-9

かと言って、えっちをしたくない、っていうことではない･･･桜太とするのも、触れられるのもとても好き。

それでも、身体は悲鳴を上げる･･･

心が｢もっと｣と求めても、形態かたちある身体は、｢もう無理｣と悲鳴を上げる･･･。

案の定今もその状態。

触れれば欲しくなる･･･

それは否めなくて･･･

答えが出ない堂々巡り。

｢･･･困る｣

｢え･･･？｣

｢･･･どうしたらいいの･･･？｣

｢ち、ちょ、椎娜･･･？？！｣

ボロボロと涙が滝のように流れる。

１度決壊してしまえば、自分でもどうにも出来ず、涙が溢れるがまま泣いてしまう。

｢～～～！椎娜･･･ごめん、浮かれて調子に乗った･･･力で椎娜が適うはずないのに、受け入れてくれるからって、調子に乗ってた･･･｣

慌ててティッシュBOXを持ってきた桜太が、２、３枚引き抜いて涙を拭ってくれる。

｢･･･う～･･･桜太と、えっち、したくないんじゃない･･･でも、何回も、とか、さっきみたいな、抱えられるのは･･･歩けなくなる･･･気持ちよすぎて、おかしくなりそうで、桜太と、するのは好きなのに･･･いっぱいはできない･･･｣

支離滅裂もいいところ。

自分でも何を言ってるのかわからないのに、伝えたいことは沢山溢れてきて、まとまらないことがまた情けなくて、涙が出た。

桜太といると、感情も不安定になっている気がする･･･。

好きすぎて、両思いなのに、恋煩い･･･

そんな感じ。

｢ねぇ･･･どうしたらいい･･･？好きすぎて、苦しい･･･｣

涙は止まらなくて、少し困った顔をした桜太が、ふっ･･･ととびきり甘く微笑わらって、親指の腹で目元をなぞる。

頬に添えられた手が大きくて温かくて、また涙が伝った。