徒然なる恋の話

焔 はる

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二.五夜 【想いはカタチを変えて】

2.5-2

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フラりと立ち寄る椎娜の家。

また来たの?と迷惑そうにしながらも、拒まずに家に入れてくれるのは俺が「幼馴染みの桜太」だから。

仕事から帰ってきてシャワーを浴び、キャミソールにショートパンツ姿の椎娜に、「もうちょい警戒してくれた方がよくない?」と以前言えば、「自分の家なのになんで?それに桜太だよ?」と一蹴された。

・・・桜太だよ、それは幼馴染みの枠を超えていない、男として見ていない、を意味する。

そこにはきっと、椎娜なりの俺への安心感がある。

付き合っていても気持ちを預けきれない彼氏おとこより、気を遣わなくていい幼馴染み。

冷蔵庫から取り出した缶ビールを、言葉もなく飲みながら、見たい訳でも無いテレビをBGMにして2人で過ごす。

それが【幼馴染み】の関係。

【男と女】、の空気がない、色のない幼馴染みな2人。

椎娜は他人、特に男に対して執着しない。

行為を寄せられ、嫌悪感を抱かない相手なら「好きになれるかもしれない」と付き合ってみる。

けれど、付き合った相手から言われるのは、

「表情がわからない」

「素直じゃない」

「見た目より可愛げがない」

「俺の事好きなの?」

「女ならもっと、ウンタラカンタラ」

「愛想良く笑えよ」

「なんで感じないの?不感症なんじゃね?」

そんな勝手な想像を抱き、歴代の彼氏は椎娜から離れていった。



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