徒然なる恋の話

焔 はる

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一夜【 淡き光 】

1-19

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絞り出すように抽挿を繰り返し、脈動が徐々に収まるまで、桜太はそうしたまま、背後から私を抱きしめていた。

桜太は、これ以上にないほど私の最奥に自身の先端を押し付け、びゅくっびゅくっと放出される熱と脈動が私の子宮へと伝わる。

・・・欲張り、かな・・・もっと桜太の熱を感じたい・・・

ぼんやりとした頭でそう思っていた。


私から自身を引き抜き、手早く後処理を済ませる。

桜太は、完全に力が入らなくなり、ベッドにうつ伏せた私の隣へと横たわると、腕の中へ私を抱き寄せた。

「椎梛・・・大丈夫?」

乱れた髪を指先で解きながら撫でる指が優しい。

「・・・ん・・・大丈夫・・・」

私は目を閉じたまま答える。

体は腰や下腹部を中心に、バラバラになりそうな気怠さと、疲労感がある。

でも、胸にひとつ点った灯りが温かい。

背中を上下に撫でる手が優しい。

先程まで、私を組み敷いていた手だ。

「・・・おぅた・・・」

「ん・・・?」

頭上からの声が少し遠くに聞こえる。

「・・・おぅたで、よか、った・・・あたたかい、もの、ずっと・・・あった、のに・・・」

私は辛うじてそれだけ言葉にして、その後は、意識を手放していた。

「しーちゃん・・・?寝ちゃったか・・・」

眠りの中で、柔らかな唇が髪に触れた気がした。

・・・愛してるよ。
彼の言葉とともに。




温かな腕の中で、私は安心して眠りに落ちた。

幼馴染みから、「男と女」になり、失いたくないと思っていた愛しさは、関係が変わり、もっと深い愛情へと形を変えた。

私を蝕んでいた冷たい虚無感と、空虚感は、今はない。

今は彼の温もりが広がり、淡い光として、私を満たしている。

明け方目を覚ますと、美しい獣は穏やかな寝息を立てている。

頬に触れ、そっと唇を重ねた。

そして、再び、彼の腕の中へと潜り込み、胸に顔を埋めた。




カーテンの隙間から差し込む淡い光が、
温かな朝を連れてくるまで、願わくば、もう少し、このままでと願いながら・・・。




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