19 / 60
4:blue illusion
4-8
しおりを挟む
「・・・頭・・・いてぇ・・・」
泣きすぎて頭痛までしてきた俺は、情けなくも今蓮見さんの部屋のソファーに埋もれている。
お情けでお貸し頂いた濡れタオルを額と目に当て、鼻づまりの声と情けない事極まりない姿を好きな人の眼前に晒している・・・。
カッコつけて「泊まりません」とか言いながら、泣きじゃくり、カムバックした蓮見さんの部屋。
そんな醜態を晒す俺と、ラグに直接座って何やらズズッ・・・と飲み物を啜っている気配と音がする。
「・・・今日、泊まるとこないなら・・・」
え・・・!
まさか・・・!!??
心臓が大きく跳ねた。
落ち着け・・・落ち着け俺・・・
んなわけない・・・そんな・・・そんな・・・そんな、ねぇ・・・・・・???
「遅くなると探すの大変だろうから、落ち着いたら帰った方がいいわよ。」
・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ですよねぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!
しッッッ・・・・・・・・・ッッッてるぅぅぅぅぅぅ!!!!
おれッ!!わかってるから!!!
あぁァァ・・・でも、そんな蓮見さんが俺は好きだ・・・・・・
追い出したいのに、心配がすこ~~~しだけ混じった言葉。
これは十分すぎる進歩じゃなかろうか、うんうん。
俺は起き上がり、タオルを額から外した。
「じゃあ、今日は帰ります。」
情けな・・・まだズビズビと鼻声だ。
今度こそ、荷物を手に玄関に向かう。
「蓮見さん、ちゃんと戸締りして下さいね。あと変態が来てもガン無視で、不安で寂しくなったらいつでも俺を呼んで下さいね。何時でも来ますから。」
「・・・・・・変態に連絡するの?」
「!!もうッ蓮見さんッ・・・!」
「ふ・・・」
「あ・・・笑った」
やべ・・・激レア、めちゃくちゃ可愛い・・・!!!!
いつもみたいな「フン・・・」て鼻で笑うんじゃなくて、自然に、俺とのやり取りで笑ってくれた。
・・・・・・どうしよう・・・泣きそうなくらい嬉しい・・・・・・泣いたけど・・・
俺、こんな涙腺弱かったっけな・・・・・・
「・・・笑ってないわ。あなた目、腫れてるから幻覚よ。泣き虫くんはさっさと帰って。」
シッシ、と俺を手で払い顔を背けてしまうが、あれは幻覚ではなく、レア中のレア、でも間違いなく蓮見さんの笑顔だ。
名前呼んでくれたのに、今は泣き虫くん・・・へっ・・・へへへへ・・・
蓮見さんが「泣き虫くん」て・・・・・・やっば・・・・・・くそ可愛い・・・・・・!!
いやいや、落ち着け俺・・・今日はもう帰るんだからな・・・
「・・・今日は俺のアルバム、会社じゃ見れない蓮見さんがたくさん保存されました・・・。無理矢理誘ったけど、水族館・・・来てくれて嬉しかったです。今の笑顔も・・・。」
「ッ・・・!だからッ・・・!笑ってないってば・・・!」
「いいんです、俺には今日の最後に最高の御褒美でしたから。」
「・・・・・・ばか、じゃない・・・あなた・・・」
「ふふ・・・あ、蓮見さん、後でソファー見て下さい。じゃ、ありがとうございました!また、会社で!」
俺は蓮見さんの返事を待たず、振り返らず、去り難い、離れ難い蓮見さん宅を後にした。
・・・背後で閉まる扉の音が寂しい・・・。
でも俺は大満足で足取り軽く、本日の宿を探すべく、スマホを取り出した。
勿論それは、蓮見さんという好きな人がいるのに他の宿を見繕うなんて不健全なものじゃなく、健全なお宿探し。
「見てくれたかなぁ・・・蓮見さん。」
喜んでくれたらいいな、少しでも蓮見さんを笑顔にできたら俺は嬉しい。
泣きすぎて頭痛までしてきた俺は、情けなくも今蓮見さんの部屋のソファーに埋もれている。
お情けでお貸し頂いた濡れタオルを額と目に当て、鼻づまりの声と情けない事極まりない姿を好きな人の眼前に晒している・・・。
カッコつけて「泊まりません」とか言いながら、泣きじゃくり、カムバックした蓮見さんの部屋。
そんな醜態を晒す俺と、ラグに直接座って何やらズズッ・・・と飲み物を啜っている気配と音がする。
「・・・今日、泊まるとこないなら・・・」
え・・・!
まさか・・・!!??
心臓が大きく跳ねた。
落ち着け・・・落ち着け俺・・・
んなわけない・・・そんな・・・そんな・・・そんな、ねぇ・・・・・・???
「遅くなると探すの大変だろうから、落ち着いたら帰った方がいいわよ。」
・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ですよねぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!
しッッッ・・・・・・・・・ッッッてるぅぅぅぅぅぅ!!!!
おれッ!!わかってるから!!!
あぁァァ・・・でも、そんな蓮見さんが俺は好きだ・・・・・・
追い出したいのに、心配がすこ~~~しだけ混じった言葉。
これは十分すぎる進歩じゃなかろうか、うんうん。
俺は起き上がり、タオルを額から外した。
「じゃあ、今日は帰ります。」
情けな・・・まだズビズビと鼻声だ。
今度こそ、荷物を手に玄関に向かう。
「蓮見さん、ちゃんと戸締りして下さいね。あと変態が来てもガン無視で、不安で寂しくなったらいつでも俺を呼んで下さいね。何時でも来ますから。」
「・・・・・・変態に連絡するの?」
「!!もうッ蓮見さんッ・・・!」
「ふ・・・」
「あ・・・笑った」
やべ・・・激レア、めちゃくちゃ可愛い・・・!!!!
いつもみたいな「フン・・・」て鼻で笑うんじゃなくて、自然に、俺とのやり取りで笑ってくれた。
・・・・・・どうしよう・・・泣きそうなくらい嬉しい・・・・・・泣いたけど・・・
俺、こんな涙腺弱かったっけな・・・・・・
「・・・笑ってないわ。あなた目、腫れてるから幻覚よ。泣き虫くんはさっさと帰って。」
シッシ、と俺を手で払い顔を背けてしまうが、あれは幻覚ではなく、レア中のレア、でも間違いなく蓮見さんの笑顔だ。
名前呼んでくれたのに、今は泣き虫くん・・・へっ・・・へへへへ・・・
蓮見さんが「泣き虫くん」て・・・・・・やっば・・・・・・くそ可愛い・・・・・・!!
いやいや、落ち着け俺・・・今日はもう帰るんだからな・・・
「・・・今日は俺のアルバム、会社じゃ見れない蓮見さんがたくさん保存されました・・・。無理矢理誘ったけど、水族館・・・来てくれて嬉しかったです。今の笑顔も・・・。」
「ッ・・・!だからッ・・・!笑ってないってば・・・!」
「いいんです、俺には今日の最後に最高の御褒美でしたから。」
「・・・・・・ばか、じゃない・・・あなた・・・」
「ふふ・・・あ、蓮見さん、後でソファー見て下さい。じゃ、ありがとうございました!また、会社で!」
俺は蓮見さんの返事を待たず、振り返らず、去り難い、離れ難い蓮見さん宅を後にした。
・・・背後で閉まる扉の音が寂しい・・・。
でも俺は大満足で足取り軽く、本日の宿を探すべく、スマホを取り出した。
勿論それは、蓮見さんという好きな人がいるのに他の宿を見繕うなんて不健全なものじゃなく、健全なお宿探し。
「見てくれたかなぁ・・・蓮見さん。」
喜んでくれたらいいな、少しでも蓮見さんを笑顔にできたら俺は嬉しい。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

元体操のお兄さんとキャンプ場で過ごし、筋肉と優しさに包まれた日――。
立坂雪花
恋愛
夏休み、小日向美和(35歳)は
小学一年生の娘、碧に
キャンプに連れて行ってほしいと
お願いされる。
キャンプなんて、したことないし……
と思いながらもネットで安心快適な
キャンプ場を調べ、必要なものをチェックしながら娘のために準備をし、出発する。
だが、当日簡単に立てられると思っていた
テントに四苦八苦していた。
そんな時に現れたのが、
元子育て番組の体操のお兄さんであり
全国のキャンプ場を巡り、
筋トレしている動画を撮るのが趣味の
加賀谷大地さん(32)で――。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる