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4:blue illusion
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「・・・・・・なんか・・・・・・」
「・・・・・・・・・真ん丸ね。」
アザラシコーナーには、真ん丸とアブラの乗った、いや、肥えた、違う、美味しそう、でもなく・・・!とにかく、真ん丸も真ん丸、ドーン!!と丸くてデカい、全く動かないアザラシがいた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・ぶはっ・・・」
「ふっ・・・」
あまりにも動かないアザラシ。
あまりにも動かなさ過ぎて、子供は「つまんなぁい・・・しんでるの?」と興味も示さずに通り過ぎていく。
あまりにも堂々としすぎていて、生きているのか本当に疑うほどの貫禄の寝姿っぷり。
なんとも・・・あまりにも、あまりにも、なアザラシ。
けれど、黒い鼻先だけは艶やかに輝き、規則正しく動いていて、
「呼吸はしてるのね・・・」
蓮見さんは安心したように呟く。
「あ・・・」
「うわ、おやじくさ・・・(笑)」
寝ころんだまま目尻が下がり、幸せそうな表情のアザラシは、丸い体を窮屈そうに逸らして前ヒレでお腹を掻いていた。
「・・・あはは・・・え、お腹痒いの・・・?あはは・・・か、掻けてる、のかな、あれ・・・」
蓮見さん・・・めちゃくちゃ笑ってるじゃん。
ツボに入った蓮見さんは、文字の如く破顔。
堪えきれずにいつものポーカーフェイスの仮面も壊れ落ち、お腹を抱えて、声を抑えて笑っている。
アザラシ・・・グッジョブ!!
真ん丸アザラシのおかげで、こんなに笑う蓮見さんを見れた俺は心の中で、このおっさんくさいアザラシに手を合わせて感謝した。
収まりかけてはアザラシを見て笑い、それを繰り返して蓮見さんはふと真顔になる。
スン・・・
そう、そんな音が俺には聴こえた。
「・・・疲れた・・・」
「え!!めちゃくちゃ笑ってたじゃないですか(笑)」
「・・・10年分くらい笑ったわ。在庫はもうないわね。」
「マジか・・・10年分、5分位で使い切ったってことですか・・・」
次のコーナーでは、ふわふわ、ゆらゆらと光を纏って水の中を漂うクラゲを、こちらも気に入ったようでガラスに張り付いて眺める蓮見さん。
ゆっくり鑑賞出来るように設置されたベンチに、俺が腰かけても気づかないほど、食い入るようにクラゲを目で追っている。
そんなにクラゲが好きなのかな・・・
俺は、水中を漂うクラゲを光が透過し、薄い影が落ちる蓮見さんの横顔を、いつぶりか分からないほど久しぶりに穏やかな気持ちでぼんやりと眺めていた。
「あ・・・ごめん、なさい・・・」
しばらくして、ハッとして振り返った蓮見さんは、バツが悪そうに、申し訳なさそうに謝る。
「・・・・・・・・・真ん丸ね。」
アザラシコーナーには、真ん丸とアブラの乗った、いや、肥えた、違う、美味しそう、でもなく・・・!とにかく、真ん丸も真ん丸、ドーン!!と丸くてデカい、全く動かないアザラシがいた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・ぶはっ・・・」
「ふっ・・・」
あまりにも動かないアザラシ。
あまりにも動かなさ過ぎて、子供は「つまんなぁい・・・しんでるの?」と興味も示さずに通り過ぎていく。
あまりにも堂々としすぎていて、生きているのか本当に疑うほどの貫禄の寝姿っぷり。
なんとも・・・あまりにも、あまりにも、なアザラシ。
けれど、黒い鼻先だけは艶やかに輝き、規則正しく動いていて、
「呼吸はしてるのね・・・」
蓮見さんは安心したように呟く。
「あ・・・」
「うわ、おやじくさ・・・(笑)」
寝ころんだまま目尻が下がり、幸せそうな表情のアザラシは、丸い体を窮屈そうに逸らして前ヒレでお腹を掻いていた。
「・・・あはは・・・え、お腹痒いの・・・?あはは・・・か、掻けてる、のかな、あれ・・・」
蓮見さん・・・めちゃくちゃ笑ってるじゃん。
ツボに入った蓮見さんは、文字の如く破顔。
堪えきれずにいつものポーカーフェイスの仮面も壊れ落ち、お腹を抱えて、声を抑えて笑っている。
アザラシ・・・グッジョブ!!
真ん丸アザラシのおかげで、こんなに笑う蓮見さんを見れた俺は心の中で、このおっさんくさいアザラシに手を合わせて感謝した。
収まりかけてはアザラシを見て笑い、それを繰り返して蓮見さんはふと真顔になる。
スン・・・
そう、そんな音が俺には聴こえた。
「・・・疲れた・・・」
「え!!めちゃくちゃ笑ってたじゃないですか(笑)」
「・・・10年分くらい笑ったわ。在庫はもうないわね。」
「マジか・・・10年分、5分位で使い切ったってことですか・・・」
次のコーナーでは、ふわふわ、ゆらゆらと光を纏って水の中を漂うクラゲを、こちらも気に入ったようでガラスに張り付いて眺める蓮見さん。
ゆっくり鑑賞出来るように設置されたベンチに、俺が腰かけても気づかないほど、食い入るようにクラゲを目で追っている。
そんなにクラゲが好きなのかな・・・
俺は、水中を漂うクラゲを光が透過し、薄い影が落ちる蓮見さんの横顔を、いつぶりか分からないほど久しぶりに穏やかな気持ちでぼんやりと眺めていた。
「あ・・・ごめん、なさい・・・」
しばらくして、ハッとして振り返った蓮見さんは、バツが悪そうに、申し訳なさそうに謝る。
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