キミを好きな僕と僕を嫌いなキミ

焔 はる

文字の大きさ
上 下
5 / 60
2:Don't approach.

2-3

しおりを挟む
ピンポーン。

「・・・はい」

「あ、蓮見さーん、俺です、忽那です」

ブチッ

「あ」

ピンポーン
ピンポンピンポンピンポンピンポンッ

めげずにひたすら俺はインターホンを押す。

「(怒)・・・あんた、マジでなんなの・・・」

「あ、蓮見さん、部屋着も可愛いですね」

頭を抱えるという言葉そのままの蓮見さんがしぶしぶドアを開けてくれた。

「・・・マジ、消えてほしい、ここ女子寮なんだけど」

「あ~~!!閉めないで!俺っ行くところないんですよ!!ほら俺が騒いでたら他の部屋の人が出てきちゃうかもしれないし
、迷惑になるじゃないですか!!それに、階違いなだけじゃないですか、男子寮と。」

「うるっさい!あんたなんで私の迷惑は考えないのよ!!」

ドアを閉めたい蓮見さんと、なんとか転がり込みたい俺の攻防。

「でも痴話喧嘩だと思われたらっ」

「思わない!!変質者って言ってクビにしてもらうから!!」

「それだけはやめて・・・!!あ!!」

「?!なに?!」

「くすっ、蓮見さん、気ぃ抜いたらだめですよ」

「あ!!」

俺は蓮見さんの一瞬の隙を付いて、部屋の中に体を滑り込ませる事に成功した。

「うわっすげぇっ・・・!!広っ!!」

「もう!ほんとにあんたなんなのよ!!」

「俺、彼氏がいたんですけど、さっき帰ったら浮気してて相手とまさに真っ最中で。そんで2人追い出して荷物整理して、アパート引き払って、あ、まだ連絡しただけですけど、アパートにいたくないし、ひとりも寂しいし、あいつのこと考えるのもムカつくじゃないですか、それで出てきちゃったんで宿無しなんです。精神的に。」

玄関を入って廊下を進めば、突き当たった扉の先には広いリビング。
俺はきれいに片付けられているその部屋の端に荷物を置き、ジャケット脱いだ。

「そんなの知らないわよ・・・ほんと、何?入社してからずっと嫌がらせ?楽しい??ていうかなんで部屋知ってんのよ・・・」

蓮見さんは頭を抱え、ソファーにどさりと体を沈めた。
上下薄いパープルの部屋着、ショートパンツから伸びた細く白い足は無防備に投げ出されている。
恐らくシャワーを浴びたばかりなのだろう、纏めた髪はまだ濡れていて、化粧を落とした顔はやはり幼かった。

正直、可愛いとしか言えない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...