幸せになりたい神様を拾いました

焔 はる

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Capsule5:失くした記憶と縁結び

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「イザナギ様、申し訳ありません。イザナミはこれでも、貴方を・・・貴方がたを心配しているのです。思ったよりも貴方がこの方に本気だとわかって拗ねているだけなのです。」


「ちょっと!皇明!!」


「違いますか?イザナミ??」


「・・・・・・ふん。」


「・・・イザナミ?聞き分けのない子は嫌いです。」


「!・・・ごめん・・・なさい・・・」


肩を抱く手に力が込められると、イザナミの身体が月城の腕の中に抱かれ、顎に添えられた指先がイザナミの顔をツイっと上向かせた。


「・・・いい子ですね、イザナミ・・・」


「おーい。おいおい、イチャイチャするなら帰ってからにしてくんねぇかなぁ、おふたりさんよ。」


元妻、神話上は今も妻のイザナミと違う男とのラブシーン。

頬を赤らめ、月城に身を委ねるイザナミ。


俺は何を見せられているのか。


二人の関係性が眼前に明らかになり、それに嫉妬心が湧く事もなく、いつだったか佐智から「嫉妬しないの??」と聞かれた時の事を思い出した。

「・・・はは・・・」


「イザナギ?」


笑いを零した俺に不思議そうな2人の瞳が向く。


ベッドの脇にしゃがみ、眠る佐智の顔を撫でる。


その瞳に俺を映して喜んだり、怒ったり、拗ねたり、はしゃいだり、無邪気に俺に抱きついて眠っていた佐智。


その佐智は、目覚めて開口一番、俺を好きだと言った。


・・・俺の事を覚えてもいないのに。


様子が変だった夜、様子がおかしいと気づいていながら見送った朝。


もっと、俺が言葉をかけられていたら、気づいてやれていたら、あんな魔物に付け入られる隙を与えるような事にはならなかったかもしれないのに・・・。
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