54 / 136
6.木曽義仲編
第47話(1183年10月) 上杉謙信マジリスペクト
しおりを挟む
(貴一視点)
「ガンガン、木を切り倒せ」
出雲大社軍は、弁慶たちが選んだ山に布陣すると、貴一の命令で木の伐採を命じた。
この軍の最大の強みは攻撃力でも防御力でもなく、普段の土木工事で培われた工兵としての能力だ。
「おい、なんで顔を布で包んでいるんだ。わしの真似か?」
白い覆面状態の貴一に弁慶が言った。貴一は刀身の長い刀を眺めながら返す。
「違うよ。策の元ネタへのリスペクトさ。兵に皆同じ様にさせろ。今回は上杉謙信の故事にならう。いや、400年後だから故事じゃないか。あははは」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(木曽義仲視点)
出雲大社軍のいる山を遠望しながら、今井兼平は言う。
「義仲様、敵は防御柵を作っているようですな」
「山の後方はどうだ?」
「今のところ、何か作ってるような動きは見られません」
「よし、前から攻めるそぶりを見せて注意をひきつけろ。戦う必要はない」
義仲軍は出雲大社軍が陣取る山に近づき、夕暮れまで挑発をし続けた。
そして日が暮れると、今井兼平が別働隊として歩兵2000と牛200頭を連れて、出雲大社軍が陣をしいている山の後方に向かって移動しはじめた。
義仲は巴御前とともに、騎馬2000と歩兵3000で、山から追い落とされた出雲大社軍を待ち構える。混乱した敵を川側に追い込んで溺死をさせ、損害を大きくする作戦だ。
出陣前には同士討ちを避けるため、全員に兜を外すよう命じている。
「山に火の手が上がるまでは休んでいろ。音を立てずにな」
義仲だけは休もうとせず、まだかまだかと山を見つめていた。
火がポツポツと灯り始める。
「よし、兵に支度をさせろ。皆殺しにしてやる」
しかし、義仲が号令を出そうとしたとき、前から馬蹄の響きが聞こえてきた――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(貴一視点)
「キツツキ戦法破れたり! 武田信玄、覚悟ォォォ!!」
「何を叫んでいるんだ、鬼一は?」
「さあ? 警戒1日目で夜襲がきたので、よほどうれしかったのでしょう。ほらな!ほらな!とずっと僕に言ってました」
騎馬隊を引き連れ、ウッキウキで飛び出して行った貴一を見ながら、弁慶は山を下りてくる兵を貴一の後続に次々と送り出していた。負傷した熊若も弁慶を手伝っている。
山道を工事していたこともあって、下山も速やかに進んだ。火が見えたら戦わずに早く降りることを周知してあったので、兵たちの混乱も少なかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみにキツツキ戦法というのは、上杉謙信と武田信玄の名勝負と伝えられる第四次・川中島の戦いで、信玄の軍師・山本勘助が考えたと言われた戦法である。
妻女山に布陣した上杉軍13000に武田軍の別動隊12000が奇襲し、驚いて山から下りてきた上杉軍を武田軍本隊8000が待ち受けて挟み撃ちする予定だったが、上杉軍が先に察知して下山し、12000で武田軍本隊8000に猛攻を加えたので、結果的には失敗した戦法である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貴一は騎馬隊600と供に義仲軍に突っ込んだ。うしろからは歩兵7000が続々と後を追うようにして走ってくる。形として第一陣・貴一、第二陣・千人隊長持教、第三陣千人隊長円光というふうに、波状攻撃になっている。民兵3000だけは攻撃に参加させず、後方で敵の別動隊に備えさせた。
奇襲を仕掛けるつもりだった敵は、奇襲のカウンターを受け混乱した。
そんな中、騎兵が一カ所にまとまろうとしている動きが貴一に見えた。
「信玄、いや義仲はあそこか! 馬鹿だなあ、動いてナンボの騎馬隊で守りを固めてどうすんだよ。なあ、みんな」
後ろを振り返った貴一だが、出雲大社軍も敵とぶつかった後は乱戦状態になっており、従っている騎兵は100程度しかいなかった。見渡すと、押し返されている部隊もあった。
「暗闇だと、こんなもんか。陣形を作って戦うわけにもいかないしね。一人一人での戦いとなると木曽兵のほうが強そうだ。なら、なおのこそ敵の大将を狙わないとね。騎馬隊、あの円陣の周りを削るぞ。続け!」
貴一は義仲を囲む外側の兵を、リンゴの皮むきのように削っていった。数は向こうのほうが多かったが、走ってくる騎馬の勢いを止まった騎馬では受け止めるのは難しい。ましてや、先頭は貴一である。数度の攻撃で中心が見えてきた。
「いたな、イケメン武将。側にいるのは幼馴染の恋人(妾)か。あだち充の漫画かよ。うらやましいなー、憧れちゃうね。畜生!」
貴一は白布を顔から取った。
「スサノオ見参! 妬み嫉みをこめた一撃を喰らえ!」
すれ違いざま貴一は太刀を振り下ろす。
ガキィン! 戦場に衝撃音が鳴り響いた。
――なぬ? 俺の太刀を受け止めた。ってことは、アイツは弁慶なみの怪力なのか!?
貴一が振り返ると、義仲の太刀と巴御前の薙刀が「X」のように重なっていた。十字受けである。
「愛の力ですか。そうですか。コラ! 二人で見つめ合うんじゃない!」
貴一は馬を返して、再び二人に向かっていく。
先ほどの一撃で、貴一の恐ろしさがわかったのだろう。二人の顔は必死だった。
貴一は太刀を下ろす――が、途中で太刀が止まる。
「止めた。止めた。これじゃあ、俺が完全な悪役じゃん――義仲、この国から出て行くのなら見逃してもいいよ――山の方を見たってムダ、ムダ。お前の味方は当分、降りてこない」
山の中腹に見える火はバラバラに動いていた。
「興奮した牛は動いているものに向かっていく。そして、山にはお前らの別動隊しかいない。今頃は自ら放った牛の始末に苦労しているはずさ」
義仲は巴御前と何度かやりとりをした後、部下に退き鐘を鳴らさせた。
「うん、それでいい。弁慶に伝令! こちらも戦いを止めさせろ!」
朝焼けの中、肩を落して引き揚げていく義仲の背中を見て貴一は思った。
――ここで助かっても。アイツには死が待っている。
貴一は叫んだ。
「何かあったら、俺を頼って出雲大社に来い!」
義仲からの返事はなく、振り返ることもなかった――。
こうして、義仲の因幡国侵攻から10日間におよんだ出雲大社軍と木曽義仲軍との戦いは幕を閉じた。
「ガンガン、木を切り倒せ」
出雲大社軍は、弁慶たちが選んだ山に布陣すると、貴一の命令で木の伐採を命じた。
この軍の最大の強みは攻撃力でも防御力でもなく、普段の土木工事で培われた工兵としての能力だ。
「おい、なんで顔を布で包んでいるんだ。わしの真似か?」
白い覆面状態の貴一に弁慶が言った。貴一は刀身の長い刀を眺めながら返す。
「違うよ。策の元ネタへのリスペクトさ。兵に皆同じ様にさせろ。今回は上杉謙信の故事にならう。いや、400年後だから故事じゃないか。あははは」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(木曽義仲視点)
出雲大社軍のいる山を遠望しながら、今井兼平は言う。
「義仲様、敵は防御柵を作っているようですな」
「山の後方はどうだ?」
「今のところ、何か作ってるような動きは見られません」
「よし、前から攻めるそぶりを見せて注意をひきつけろ。戦う必要はない」
義仲軍は出雲大社軍が陣取る山に近づき、夕暮れまで挑発をし続けた。
そして日が暮れると、今井兼平が別働隊として歩兵2000と牛200頭を連れて、出雲大社軍が陣をしいている山の後方に向かって移動しはじめた。
義仲は巴御前とともに、騎馬2000と歩兵3000で、山から追い落とされた出雲大社軍を待ち構える。混乱した敵を川側に追い込んで溺死をさせ、損害を大きくする作戦だ。
出陣前には同士討ちを避けるため、全員に兜を外すよう命じている。
「山に火の手が上がるまでは休んでいろ。音を立てずにな」
義仲だけは休もうとせず、まだかまだかと山を見つめていた。
火がポツポツと灯り始める。
「よし、兵に支度をさせろ。皆殺しにしてやる」
しかし、義仲が号令を出そうとしたとき、前から馬蹄の響きが聞こえてきた――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(貴一視点)
「キツツキ戦法破れたり! 武田信玄、覚悟ォォォ!!」
「何を叫んでいるんだ、鬼一は?」
「さあ? 警戒1日目で夜襲がきたので、よほどうれしかったのでしょう。ほらな!ほらな!とずっと僕に言ってました」
騎馬隊を引き連れ、ウッキウキで飛び出して行った貴一を見ながら、弁慶は山を下りてくる兵を貴一の後続に次々と送り出していた。負傷した熊若も弁慶を手伝っている。
山道を工事していたこともあって、下山も速やかに進んだ。火が見えたら戦わずに早く降りることを周知してあったので、兵たちの混乱も少なかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみにキツツキ戦法というのは、上杉謙信と武田信玄の名勝負と伝えられる第四次・川中島の戦いで、信玄の軍師・山本勘助が考えたと言われた戦法である。
妻女山に布陣した上杉軍13000に武田軍の別動隊12000が奇襲し、驚いて山から下りてきた上杉軍を武田軍本隊8000が待ち受けて挟み撃ちする予定だったが、上杉軍が先に察知して下山し、12000で武田軍本隊8000に猛攻を加えたので、結果的には失敗した戦法である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貴一は騎馬隊600と供に義仲軍に突っ込んだ。うしろからは歩兵7000が続々と後を追うようにして走ってくる。形として第一陣・貴一、第二陣・千人隊長持教、第三陣千人隊長円光というふうに、波状攻撃になっている。民兵3000だけは攻撃に参加させず、後方で敵の別動隊に備えさせた。
奇襲を仕掛けるつもりだった敵は、奇襲のカウンターを受け混乱した。
そんな中、騎兵が一カ所にまとまろうとしている動きが貴一に見えた。
「信玄、いや義仲はあそこか! 馬鹿だなあ、動いてナンボの騎馬隊で守りを固めてどうすんだよ。なあ、みんな」
後ろを振り返った貴一だが、出雲大社軍も敵とぶつかった後は乱戦状態になっており、従っている騎兵は100程度しかいなかった。見渡すと、押し返されている部隊もあった。
「暗闇だと、こんなもんか。陣形を作って戦うわけにもいかないしね。一人一人での戦いとなると木曽兵のほうが強そうだ。なら、なおのこそ敵の大将を狙わないとね。騎馬隊、あの円陣の周りを削るぞ。続け!」
貴一は義仲を囲む外側の兵を、リンゴの皮むきのように削っていった。数は向こうのほうが多かったが、走ってくる騎馬の勢いを止まった騎馬では受け止めるのは難しい。ましてや、先頭は貴一である。数度の攻撃で中心が見えてきた。
「いたな、イケメン武将。側にいるのは幼馴染の恋人(妾)か。あだち充の漫画かよ。うらやましいなー、憧れちゃうね。畜生!」
貴一は白布を顔から取った。
「スサノオ見参! 妬み嫉みをこめた一撃を喰らえ!」
すれ違いざま貴一は太刀を振り下ろす。
ガキィン! 戦場に衝撃音が鳴り響いた。
――なぬ? 俺の太刀を受け止めた。ってことは、アイツは弁慶なみの怪力なのか!?
貴一が振り返ると、義仲の太刀と巴御前の薙刀が「X」のように重なっていた。十字受けである。
「愛の力ですか。そうですか。コラ! 二人で見つめ合うんじゃない!」
貴一は馬を返して、再び二人に向かっていく。
先ほどの一撃で、貴一の恐ろしさがわかったのだろう。二人の顔は必死だった。
貴一は太刀を下ろす――が、途中で太刀が止まる。
「止めた。止めた。これじゃあ、俺が完全な悪役じゃん――義仲、この国から出て行くのなら見逃してもいいよ――山の方を見たってムダ、ムダ。お前の味方は当分、降りてこない」
山の中腹に見える火はバラバラに動いていた。
「興奮した牛は動いているものに向かっていく。そして、山にはお前らの別動隊しかいない。今頃は自ら放った牛の始末に苦労しているはずさ」
義仲は巴御前と何度かやりとりをした後、部下に退き鐘を鳴らさせた。
「うん、それでいい。弁慶に伝令! こちらも戦いを止めさせろ!」
朝焼けの中、肩を落して引き揚げていく義仲の背中を見て貴一は思った。
――ここで助かっても。アイツには死が待っている。
貴一は叫んだ。
「何かあったら、俺を頼って出雲大社に来い!」
義仲からの返事はなく、振り返ることもなかった――。
こうして、義仲の因幡国侵攻から10日間におよんだ出雲大社軍と木曽義仲軍との戦いは幕を閉じた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
鋼殻牙龍ドラグリヲ
南蛮蜥蜴
ファンタジー
歪なる怪物「害獣」の侵攻によって緩やかに滅びゆく世界にて、「アーマメントビースト」と呼ばれる兵器を操り、相棒のアンドロイド「カルマ」と共に戦いに明け暮れる主人公「真継雪兎」
ある日、彼はとある任務中に害獣に寄生され、身体を根本から造り替えられてしまう。 乗っ取られる危険を意識しつつも生きることを選んだ雪兎だったが、それが苦難の道のりの始まりだった。
次々と出現する凶悪な害獣達相手に、無双の機械龍「ドラグリヲ」が咆哮と共に牙を剥く。
延々と繰り返される殺戮と喪失の果てに、勇敢で臆病な青年を待ち受けるのは絶対的な破滅か、それともささやかな希望か。
※小説になろう、カクヨム、ノベプラでも掲載中です。
※挿絵は雨川真優(アメカワマユ)様@zgmf_x11dより頂きました。利用許可済です。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる