31 / 136
4.戦うアイドル編
第26話(1176年11月) コール&レスポンス
しおりを挟む
出雲大社の横にある、軍の練兵所には民から選ばれた成年男子が1000人、長い竹を持って整列していた。槍の訓練のためだ。これから、毎日交代で計5000人の民兵を育成する予定だ。
「俺が将軍のスサノオだ。これから長い槍を使って訓練する。一人ひとりの力は弱くても密集して戦えば、騎馬だって簡単には近づけない。そのために、みんなで一つのハリネズミになる訓練をする! コホン、それでは、訓練の前にお前たちの幸運を祈願する神楽を催す。神楽隊カモン!」
巫女たちが舞台に出てくる。センターは蓮華だ。1曲目は日本神話を元にしたもので、ミュージカルに近い。山陰地方の民にもなじみがあるので、民兵はみな黙って見入っていた。時折、おおっ、という声が上がる。見せ場では指を鳴らす者や体の一部を叩いて、称賛する者もいたが、まばらだった。
――ミュージカルだとお客のリアクションが分かりづらいなあ。スタンディングオベーションの文化なんて無いし。
2曲目は貴一が選んだアゲアゲの曲だったが、民兵はポカンとしていた。巫女たちがビシっと振りを揃えたところは反応があったが、それ以外の反応は鈍かった。
――うーん、なかなか反応は厳しいね。こりゃ、蓮華たちよりも俺のほうが勉強になるかも。さて、この後が本番だ。上手く行ってくれよ!
神楽隊はいったん舞台から降りて、民兵と同じ竹を持って戻ってきた。
貴一が民兵に言う。
「これから、槍の訓練を行う。1000人が一つのハリネズミになるためには、動きを揃えることが大事だ。今から神楽隊が音楽に合わせて、手本を見せる。その後、お前たちも音楽に合わせて同じ動きをしてくれ」
神楽隊は全員息を合わせて、揃え・構え・突き・前進・後退・方向変えを、掛け声を上げながら見せた。曲はウルフルズの「ガッツだぜ」だ。
「よし! 次はお前らの番だ! 気合入れろよ!」
「「「オーッ」」」
「声が小さい!」
「「「オオーッ!!」」」
「お前らの気合はそんなもんか! 男だろ! もう一回!」
「「「「オオオ――――ッ!!!!」」」
「よし、曲を始めろ!」
民兵たちは舞台上の神楽隊の動きを、見様見真似でやっていく。
貴一はというと、掛け声が小さい民兵の元に行き、煽って声を出させる。そして徐々に神楽隊の動きを減らし、音楽だけで民兵だけで動かしてみる。
――やっぱ、リズムがあると動きも揃いやすいな。
貴一は蓮華に掛け声を任せた。蓮華が大声を出す。
「かーまーえー!」
「「「「かーまーえ!!」」」」
民兵たちが声を揃えて叫ぶ。
「つーき!」 「「「「つーき!!」」」」
「ひーだーり!」 「「「「ひーだーり!!」」」」
民兵のリアクションに蓮華のテンションも上がっている。貴一は神楽隊に向かって言った。
「どうだ。お客と一体になるのを感じないか? これがコール&レスポンスだ」
「「はい!!」」
巫女たちの反応に貴一は満足した。これなら兵を鼓舞をする軍楽隊として役に立つ。長明にも軍事費の一部として予算を降ろしてもらえそうだ。
出雲国に雪が降るまでの2カ月間。神楽隊は毎日、舞台と練兵を行った――。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
冬になると春まで、貴一・弁慶・熊若は、石見(島根県西部)と長門(山口県北部)に潜入し、すでに調べてある地形を再度確認していた。水田を荒らさない最速ルートと、占領した後の防衛拠点を見定めるためだ。石見・長門には各2000人ほどの兵がいるが、それは軍が豪族に集合をかけた場合だ。国司(現地行政官のトップ)といえども、普段は100前後の兵しか周りにいない。
「1カ月でケリをつける」
鉄心が3月に長門国内で炭鉱を発見すると、すぐさま貴一は作戦を命じた。
第1段階として、貴一と熊若騎馬隊100が2頭の替え馬を使って、1日で石見国を駆け抜ける。替え馬とは2段式ロケットのように、1匹目の馬が疲れたら、2匹目の馬に乗り換えて、進撃速度を保つ方法だ。もちろんロケットと違い1匹目の馬は回収し、回復したらまた騎乗する。
貴一は2日目に長門国の国府(政治の中心都市)を襲撃し、国司を拘束することに成功した。そのまま休むことなく、熊若と軍を2つに分け、長門国に20近くいる長門の豪族たちを強襲し、火を放って回った。各地に出没することによって、軍を実態よりも多く見せられるように、一カ所に留まらずに走りまわった。
第2段階は弁慶率いる歩兵隊の出番だ。1日目から1800人を率い、石見国東部の寺社勢力をすり潰していく。
第3段階は弁慶の後をゆっくりと、鴨長明率いる民兵2000人が続く。この部隊は弁慶がすり潰した寺社の戦後処理をし、出雲大社に祭神や本尊を移していく。
作戦開始から4日目の朝。石見国の国司の元に、長門国の乱と石見国の寺社勢力の戦いの知らせが届いた。石見国司はただちに兵の招集を命じた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(石見国司視点)
貴一が戦いを始めてから7日目。石見国府(島根県西部にある浜田市)には豪族と2000の兵が集まっていた。石見国司に家人が聞く。
「国司様、長門国を助けにいかれますか? それとも石見国の寺社を助けるため、出雲大社軍に向かいますか?」
「出雲大社軍に関しては様子を見よう。いつも威張っている石見の寺社にはいい薬になる。出雲の奴らも気が済んだら引き揚げるかもしれからのう。まずは長門国の状況を知ることが先決だ」
「報告! 長門国で乱を起こした軍が我が国へ攻め入ってきた模様。数は500!」
「奇襲が成功したからと、アホが調子に乗りおって。こっちの備えはもう終わっておるわ。兵1000を討伐軍として出せ」
命令を下した石見国司に元に1日も経たずに伝令がやってきた。
「報告! 敵は長門国に引き揚げていきました」
「ワハハハ! どうだった、手ごたえは?」
「全然ありませんでした。数も思ったほどおらず。少し戦っただけで、奴らは逃げ散っていきました。ただ……」
「なんだ?」
「敵の殿が恐ろしく強く、50名近く討ち取られました」
「凄まじいな……。賊にはそんな豪傑がいるのか」
「報告! 出雲大社軍が寺社との争いを止め、国府に向かって進軍中!」
「なにぃ! 討伐軍を呼び戻せ! 追撃中の兵もだ! 急げ!」
「俺が将軍のスサノオだ。これから長い槍を使って訓練する。一人ひとりの力は弱くても密集して戦えば、騎馬だって簡単には近づけない。そのために、みんなで一つのハリネズミになる訓練をする! コホン、それでは、訓練の前にお前たちの幸運を祈願する神楽を催す。神楽隊カモン!」
巫女たちが舞台に出てくる。センターは蓮華だ。1曲目は日本神話を元にしたもので、ミュージカルに近い。山陰地方の民にもなじみがあるので、民兵はみな黙って見入っていた。時折、おおっ、という声が上がる。見せ場では指を鳴らす者や体の一部を叩いて、称賛する者もいたが、まばらだった。
――ミュージカルだとお客のリアクションが分かりづらいなあ。スタンディングオベーションの文化なんて無いし。
2曲目は貴一が選んだアゲアゲの曲だったが、民兵はポカンとしていた。巫女たちがビシっと振りを揃えたところは反応があったが、それ以外の反応は鈍かった。
――うーん、なかなか反応は厳しいね。こりゃ、蓮華たちよりも俺のほうが勉強になるかも。さて、この後が本番だ。上手く行ってくれよ!
神楽隊はいったん舞台から降りて、民兵と同じ竹を持って戻ってきた。
貴一が民兵に言う。
「これから、槍の訓練を行う。1000人が一つのハリネズミになるためには、動きを揃えることが大事だ。今から神楽隊が音楽に合わせて、手本を見せる。その後、お前たちも音楽に合わせて同じ動きをしてくれ」
神楽隊は全員息を合わせて、揃え・構え・突き・前進・後退・方向変えを、掛け声を上げながら見せた。曲はウルフルズの「ガッツだぜ」だ。
「よし! 次はお前らの番だ! 気合入れろよ!」
「「「オーッ」」」
「声が小さい!」
「「「オオーッ!!」」」
「お前らの気合はそんなもんか! 男だろ! もう一回!」
「「「「オオオ――――ッ!!!!」」」
「よし、曲を始めろ!」
民兵たちは舞台上の神楽隊の動きを、見様見真似でやっていく。
貴一はというと、掛け声が小さい民兵の元に行き、煽って声を出させる。そして徐々に神楽隊の動きを減らし、音楽だけで民兵だけで動かしてみる。
――やっぱ、リズムがあると動きも揃いやすいな。
貴一は蓮華に掛け声を任せた。蓮華が大声を出す。
「かーまーえー!」
「「「「かーまーえ!!」」」」
民兵たちが声を揃えて叫ぶ。
「つーき!」 「「「「つーき!!」」」」
「ひーだーり!」 「「「「ひーだーり!!」」」」
民兵のリアクションに蓮華のテンションも上がっている。貴一は神楽隊に向かって言った。
「どうだ。お客と一体になるのを感じないか? これがコール&レスポンスだ」
「「はい!!」」
巫女たちの反応に貴一は満足した。これなら兵を鼓舞をする軍楽隊として役に立つ。長明にも軍事費の一部として予算を降ろしてもらえそうだ。
出雲国に雪が降るまでの2カ月間。神楽隊は毎日、舞台と練兵を行った――。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
冬になると春まで、貴一・弁慶・熊若は、石見(島根県西部)と長門(山口県北部)に潜入し、すでに調べてある地形を再度確認していた。水田を荒らさない最速ルートと、占領した後の防衛拠点を見定めるためだ。石見・長門には各2000人ほどの兵がいるが、それは軍が豪族に集合をかけた場合だ。国司(現地行政官のトップ)といえども、普段は100前後の兵しか周りにいない。
「1カ月でケリをつける」
鉄心が3月に長門国内で炭鉱を発見すると、すぐさま貴一は作戦を命じた。
第1段階として、貴一と熊若騎馬隊100が2頭の替え馬を使って、1日で石見国を駆け抜ける。替え馬とは2段式ロケットのように、1匹目の馬が疲れたら、2匹目の馬に乗り換えて、進撃速度を保つ方法だ。もちろんロケットと違い1匹目の馬は回収し、回復したらまた騎乗する。
貴一は2日目に長門国の国府(政治の中心都市)を襲撃し、国司を拘束することに成功した。そのまま休むことなく、熊若と軍を2つに分け、長門国に20近くいる長門の豪族たちを強襲し、火を放って回った。各地に出没することによって、軍を実態よりも多く見せられるように、一カ所に留まらずに走りまわった。
第2段階は弁慶率いる歩兵隊の出番だ。1日目から1800人を率い、石見国東部の寺社勢力をすり潰していく。
第3段階は弁慶の後をゆっくりと、鴨長明率いる民兵2000人が続く。この部隊は弁慶がすり潰した寺社の戦後処理をし、出雲大社に祭神や本尊を移していく。
作戦開始から4日目の朝。石見国の国司の元に、長門国の乱と石見国の寺社勢力の戦いの知らせが届いた。石見国司はただちに兵の招集を命じた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(石見国司視点)
貴一が戦いを始めてから7日目。石見国府(島根県西部にある浜田市)には豪族と2000の兵が集まっていた。石見国司に家人が聞く。
「国司様、長門国を助けにいかれますか? それとも石見国の寺社を助けるため、出雲大社軍に向かいますか?」
「出雲大社軍に関しては様子を見よう。いつも威張っている石見の寺社にはいい薬になる。出雲の奴らも気が済んだら引き揚げるかもしれからのう。まずは長門国の状況を知ることが先決だ」
「報告! 長門国で乱を起こした軍が我が国へ攻め入ってきた模様。数は500!」
「奇襲が成功したからと、アホが調子に乗りおって。こっちの備えはもう終わっておるわ。兵1000を討伐軍として出せ」
命令を下した石見国司に元に1日も経たずに伝令がやってきた。
「報告! 敵は長門国に引き揚げていきました」
「ワハハハ! どうだった、手ごたえは?」
「全然ありませんでした。数も思ったほどおらず。少し戦っただけで、奴らは逃げ散っていきました。ただ……」
「なんだ?」
「敵の殿が恐ろしく強く、50名近く討ち取られました」
「凄まじいな……。賊にはそんな豪傑がいるのか」
「報告! 出雲大社軍が寺社との争いを止め、国府に向かって進軍中!」
「なにぃ! 討伐軍を呼び戻せ! 追撃中の兵もだ! 急げ!」
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる