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1.京都修行編
第4話(1172年6月) 貧乏国家
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「法眼様、そっちは山陰道とは違いますよ」
「平清盛が作った大輪田泊(神戸港の原型)を見てみたい」
出雲国へ行くと言った貴一だが、平清盛が工事を行っている港を見てみたくなり、途中で山陽道に道を変えた。摂津国の福原(兵庫県神戸市)には清盛が移り住み、街造りの指揮をしている。
――広元は昔から清盛を褒めていた。ただの権力者ではなく、国を豊かにすることを考えている男だと。
福原からは新しい街の息吹は感じられるが、ゆっくりと成長している感じで、未来の神戸港を知っている貴一からすると、いまいち凄さを感じられなかった。
出会った商人に話を聞いてみると、まだ国家事業ではなく清盛個人の私財で工事をやっているらしい。しかし、宋国と大規模な貿易が行われるようになれば、きっと福原は日本の中心になると言っていた。
「立派な方ですね、平相国(清盛の役職 太政大臣の別称)は。これほどの事業を私財で行うなんて。中原様も嘆いておりました。この国には交易の重要性をわかっている者が少ない、と」
「私財と言っても元を正せば民から巻き上げたものだよ――まあ、それでも搾取しかしていないやつらよりはマシか」
「天皇や公卿も国家万民の安寧を願って寺社仏閣を建てていますよ。これは民のためではないのでしょうか?」
「うーん、宗教を批判する気は無いけど、治水工事のようなインフラにお金を使ったほうが民のためだと思うね。これから向かう先の出雲国で行っているような、製鉄を支援するのもいいかもしれない。鉄製の農具を持っていない民も多いんだろ?」
「はい。国の直轄領以外は、鉄の農具の保持を禁止しています。ほとんどの農民はお金を払って国から鉄の農具を借りるか、時間をかけて木の農具で耕すしかありません」
「鉄がもっと取れればいいんだけど、こればっかりは実際に見てみないとね。熊若、出雲に向かおう」
摂津国から出雲国(島根県西部)と伯耆国(島根県東部)の境に点在している、製鉄場所に向かう道中、貴一は民を豊かにするためにはどうすればいいか考えていた。そして、頭に思い浮かんだことを、熊若に問いかけていく。
――まずは食からだ。確か、イギリスの大飢饉のとき、ジャガイモが民を救ったと習ったような。
「ジャガイモという作物を知っているか? 地中で育ち、肌色で子供の拳大ぐらいになる」
「知りませんね。サトイモというのは聞いたことはありますが、法眼様の言っている芋とは見た目が違います」
この時期、ジャガイモやサツマイモはまだヨーロッパや中国にも入ってきてはいない。
――うーん、日本の植物じゃないのか。じゃあ家畜を増やすか。未来ではいろんな場所で地名をつけた牛肉や豚肉、鶏肉がいるわけだし。そういえば……。
「熊若、京で鶏を戦わせているのを何度も見たが、繁殖させるのは難しいのかな?」
「肉食は禁止ですよ」
「あっ、そうだった……。食べ物少ないわりに縛りプレイしてんだよなー」
「仏教の教えですから。ただ、地方では狩りで取った獣は食べています。僕の故郷の蝦夷では皆、獣肉を食べます」
貴一は唾を飲み込んだ。そういえば、転生してからというもの肉は魚しか食べていない。
――狩りでもするか。でも獣をさばく自信ないなあ。血抜きとか分かんないし。
「そういえば、牛乳も飲んでない!」
「乳も禁止です。飲むと牛になると言われています」
「なんだそれ、馬鹿じゃないの?」
「ええ。京の人は蝦夷に毛深い人が多いのは、獣を食しているからだ、なんて言うんですよ。本当に馬鹿げています」
「しかし、肉食も乳製品も駄目って、ヴィーガンみたいだね。あんなものは裕福な人間がやるもので、貧乏国家がヴィーガンの真似事など千年早い!」
熊若が驚いて貴一を見る。
「この国は貧しいのですか? 僕が京に来たとき、とても驚きました。文化と学問がこんなに栄えているのかと」
「そうでもないよ。海の向こうの唐国なんて日本の何倍もの大きさの王宮がいくらでもあるぞ。まず、国のトップが平屋建てに住んでいるなんてありえない。皇帝は五重塔を数百倍にしたような宮殿に住んでいると思えばいい。それも石造りだ」
「そんなに! 夢の国ですね!」
――いまいち、天皇打破のモチベーションが上がりにくいのもそれなんだよねえ。内裏や院の御所は立派と言えば立派なのだが、未来からやってきた貴一からみれば、質素に見える。妾もいることはいるが少数だ。肉も食わなきゃ、残虐なこともしない。むしろ死を穢れとして遠ざけている。酒を飲み、歌を詠んで蹴鞠するのが、贅沢のMAXだ。敵役としてしょぼすぎて、闘志が湧きずらいのだ
「くやしいが、広元の言ってることは正しいかもね。今、富の再分配を頑張ったところで、民に行き渡るものなど微々たるものだ。それよりも国を豊かにすることが大事だと思う」
「それで、いろいろ考えておられるのですね」
貴一は再び考える。
――確か雑草処理に使われている家畜がニュースになっていたな。あれなら育てやすいはず。
「ヤギって知ってる? 鹿に似てるが一回り以上小さくて、白くて、メエーって無く獣」
「知っています! 異国の獣ですよね! 前に宋国の使者が持ってきたといって、朝廷が民に披露しているのを見ました」
「日本の獣ではないのかー。まあ、それ以前に肉や乳が禁止では意味が無いし。勧めると仏教徒から叩かれまくるんだろうな。やだなー。耐えられるかなー。俺ネット耐性も弱かったから……」
何一つ、いい案を思い浮かばないまま、二人は刀鍛冶たちが住む鍛冶村に着いた。
取次役の弟子に謝礼といっしょに依頼する内容を記した紙を渡す。
内容を見せながら弟子と貴一は少し話した。弟子が答える。
「1カ月から2カ月ぐらいあれば、お渡しできるでしょう」
「わかった。刀を打つ鍛冶にはこの酒も渡してくれ」
そう言うと、貴一たちは鍛冶村を後にした。
「待っている間、どうします?」
「鉄がどのようにして作られているか知りたい。今は鉄の増産以外に国を豊かにする案が浮かばないんだよね」
二人は製鉄場所があるという山へ向かった――。
「平清盛が作った大輪田泊(神戸港の原型)を見てみたい」
出雲国へ行くと言った貴一だが、平清盛が工事を行っている港を見てみたくなり、途中で山陽道に道を変えた。摂津国の福原(兵庫県神戸市)には清盛が移り住み、街造りの指揮をしている。
――広元は昔から清盛を褒めていた。ただの権力者ではなく、国を豊かにすることを考えている男だと。
福原からは新しい街の息吹は感じられるが、ゆっくりと成長している感じで、未来の神戸港を知っている貴一からすると、いまいち凄さを感じられなかった。
出会った商人に話を聞いてみると、まだ国家事業ではなく清盛個人の私財で工事をやっているらしい。しかし、宋国と大規模な貿易が行われるようになれば、きっと福原は日本の中心になると言っていた。
「立派な方ですね、平相国(清盛の役職 太政大臣の別称)は。これほどの事業を私財で行うなんて。中原様も嘆いておりました。この国には交易の重要性をわかっている者が少ない、と」
「私財と言っても元を正せば民から巻き上げたものだよ――まあ、それでも搾取しかしていないやつらよりはマシか」
「天皇や公卿も国家万民の安寧を願って寺社仏閣を建てていますよ。これは民のためではないのでしょうか?」
「うーん、宗教を批判する気は無いけど、治水工事のようなインフラにお金を使ったほうが民のためだと思うね。これから向かう先の出雲国で行っているような、製鉄を支援するのもいいかもしれない。鉄製の農具を持っていない民も多いんだろ?」
「はい。国の直轄領以外は、鉄の農具の保持を禁止しています。ほとんどの農民はお金を払って国から鉄の農具を借りるか、時間をかけて木の農具で耕すしかありません」
「鉄がもっと取れればいいんだけど、こればっかりは実際に見てみないとね。熊若、出雲に向かおう」
摂津国から出雲国(島根県西部)と伯耆国(島根県東部)の境に点在している、製鉄場所に向かう道中、貴一は民を豊かにするためにはどうすればいいか考えていた。そして、頭に思い浮かんだことを、熊若に問いかけていく。
――まずは食からだ。確か、イギリスの大飢饉のとき、ジャガイモが民を救ったと習ったような。
「ジャガイモという作物を知っているか? 地中で育ち、肌色で子供の拳大ぐらいになる」
「知りませんね。サトイモというのは聞いたことはありますが、法眼様の言っている芋とは見た目が違います」
この時期、ジャガイモやサツマイモはまだヨーロッパや中国にも入ってきてはいない。
――うーん、日本の植物じゃないのか。じゃあ家畜を増やすか。未来ではいろんな場所で地名をつけた牛肉や豚肉、鶏肉がいるわけだし。そういえば……。
「熊若、京で鶏を戦わせているのを何度も見たが、繁殖させるのは難しいのかな?」
「肉食は禁止ですよ」
「あっ、そうだった……。食べ物少ないわりに縛りプレイしてんだよなー」
「仏教の教えですから。ただ、地方では狩りで取った獣は食べています。僕の故郷の蝦夷では皆、獣肉を食べます」
貴一は唾を飲み込んだ。そういえば、転生してからというもの肉は魚しか食べていない。
――狩りでもするか。でも獣をさばく自信ないなあ。血抜きとか分かんないし。
「そういえば、牛乳も飲んでない!」
「乳も禁止です。飲むと牛になると言われています」
「なんだそれ、馬鹿じゃないの?」
「ええ。京の人は蝦夷に毛深い人が多いのは、獣を食しているからだ、なんて言うんですよ。本当に馬鹿げています」
「しかし、肉食も乳製品も駄目って、ヴィーガンみたいだね。あんなものは裕福な人間がやるもので、貧乏国家がヴィーガンの真似事など千年早い!」
熊若が驚いて貴一を見る。
「この国は貧しいのですか? 僕が京に来たとき、とても驚きました。文化と学問がこんなに栄えているのかと」
「そうでもないよ。海の向こうの唐国なんて日本の何倍もの大きさの王宮がいくらでもあるぞ。まず、国のトップが平屋建てに住んでいるなんてありえない。皇帝は五重塔を数百倍にしたような宮殿に住んでいると思えばいい。それも石造りだ」
「そんなに! 夢の国ですね!」
――いまいち、天皇打破のモチベーションが上がりにくいのもそれなんだよねえ。内裏や院の御所は立派と言えば立派なのだが、未来からやってきた貴一からみれば、質素に見える。妾もいることはいるが少数だ。肉も食わなきゃ、残虐なこともしない。むしろ死を穢れとして遠ざけている。酒を飲み、歌を詠んで蹴鞠するのが、贅沢のMAXだ。敵役としてしょぼすぎて、闘志が湧きずらいのだ
「くやしいが、広元の言ってることは正しいかもね。今、富の再分配を頑張ったところで、民に行き渡るものなど微々たるものだ。それよりも国を豊かにすることが大事だと思う」
「それで、いろいろ考えておられるのですね」
貴一は再び考える。
――確か雑草処理に使われている家畜がニュースになっていたな。あれなら育てやすいはず。
「ヤギって知ってる? 鹿に似てるが一回り以上小さくて、白くて、メエーって無く獣」
「知っています! 異国の獣ですよね! 前に宋国の使者が持ってきたといって、朝廷が民に披露しているのを見ました」
「日本の獣ではないのかー。まあ、それ以前に肉や乳が禁止では意味が無いし。勧めると仏教徒から叩かれまくるんだろうな。やだなー。耐えられるかなー。俺ネット耐性も弱かったから……」
何一つ、いい案を思い浮かばないまま、二人は刀鍛冶たちが住む鍛冶村に着いた。
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内容を見せながら弟子と貴一は少し話した。弟子が答える。
「1カ月から2カ月ぐらいあれば、お渡しできるでしょう」
「わかった。刀を打つ鍛冶にはこの酒も渡してくれ」
そう言うと、貴一たちは鍛冶村を後にした。
「待っている間、どうします?」
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