愛する貴方はいつもあの子の元へと駆け付けてしまう~私を愛しているというのは嘘だったの?~

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今日はアッシュと新しくできたカフェに行く約束の為、待ち合わせ場所にきているが
時間をすぎてもアッシュの姿が中々見えない。


アッシュとは最近正式に付き合い始めたばかり。
アッシュから熱烈なアプローチを受け、付き合う事になったシェリー。
街の大きな商会の一人息子アッシュと、シェリーは街の小さなケーキ屋さんで働く街娘だ。
最初は自分とアッシュでは釣り合わないと何度も断っていたが
それでもアッシュは諦めず毎日お店に通いシェリーに気持ちを伝えてくれた。
そんなアッシュにシェリーも徐々に心を許し付き合う事になったのだ。



「アッシュ遅いなあ。いつも遅れるなら事前に手紙をくれるのにどうしたんだろう・・・」


アッシュが中々現れない事で、何か事故に巻き込まれたのではないかと不安がよぎる。
一度アッシュの家に向かおうかと思ったが、すれ違いになってはと思い直しもう少し待ってみる事にした。


「シェリ~~~!!!!」

待ち望んでいた声にハッと顔をあげる。

「シェリー遅れてしまって本当にごめん!!直前で色々あって・・・」
「アッシュ大丈夫よ!むしろ事故に巻き込まれたんじゃないかと思って心配してたから、無事で良かった・・わ?」

シェリーがアッシュの顔を見て安心したのも束の間、アッシュの後ろからヒラヒラと可愛らしいスカートの裾が見え隠れするのに気づく。
アッシュもシェリーの視線に気付いた様で

「ミレル!ほら!隠れていないでちゃんと彼女に挨拶をするんだ」

アッシュにそう促され、こちらを伺う様にひょことその可愛らしい瞳をのぞかせる。

「あ、あの。私ミレルと言います。いつもアッシュにはお世話になってて・・・今日は私のせいでアッシュがシェリーお姉さんの約束に遅れちゃってごめんなさい」

そういって顔を伏せる少女はとても可愛らしく、そしてその怯えた様子は庇護欲そそるが見た目よりも更に幼い印象をシェリーは感じた。

「ミレルちゃん?いいのよ。そんな悲しそうな顔しないで。アッシュは来てくれたのだし、良かったらどうして遅れたのか理由を聞いてもいいかな?」

そういってシェリーはいつも子供のお客様へ見せるとびきりの笑顔で微笑むも、ミレルはビクッと震えアッシュの背中に隠れてしまった。

え。私の笑顔が怖かったのかしら・・・。

そんな様子をみかねたアッシュが
「シャリーごめんよ。僕が説明するから立ち話もなんだし、今日はこのままミレルも一緒に連れていっていいかな?」

そういって申し訳なさそうに垂れた耳としっぽが見えるぐらいに落ち込んでいるアッシュ。
そんな彼が可愛らしくてたまらない。

「えぇ!いいわよ!きっとアッシュもミレルちゃんも今から行くお店に行けば幸せな気分になれるわ!」






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