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第一章 運命に抗うドブネズミ
23・二つの真実
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なんてこった。ライオンと鬼ごっこしてるうちに、俺らは南の国境沿いまで来ちまってたらしい。
「じゃあよ、ここら辺にお互いの砦があんのか? よく小競り合いが起きてるって」
「うーん、ここより東と西にはあるね。でも、どちらも樹海の影響が薄くなっている場所さ。正直、この辺りは魔物が多すぎて、一般兵だと敵国と戦うどころじゃなくなるからね」
確かに、俺たちはライオンから逃げるためにかなりの速さで素通りさせてもらったが、ゆっくりお散歩でもしようもんなら、他の魔物と戦うことになってたかもしれねえ。
「なあ、俺はその、国とか政治とかには詳しくねえんだがよ。なんでアルテリア王国はハーベストを攻めるんだ?」
「ん? ……それは聞き捨てならないね。先に仕掛けてきたのはハーベストだよ」
「え?」
俺が聞いた話では、南からアルテリアが攻めてくるから、その防備として騎士団が砦に入ってるって話だった。
「……なるほどね。ハーベストでは国民向けにそういった宣伝をしているわけだ。でもね、ラット君。この大樹海の北、つまり君たちの国の領土だね。そのあたりも昔は魔物が少なく、他の少数民族の小さな集落が沢山あったんだよ。我々の国に当時の交流の文献なんかが残ってる。けれど、武力でハーベストが領土を拡大してしまったんだ。それからだよ、樹海に強い魔物が一気に増えたのは。一説には、少数民族の呪いって話もあるんだ」
とても信じられねえ話だった。だが、クレアの方へ視線を移しても、頷くばかりだ。少なくとも、レンドが今作った話をしているわけではなさそうだな。だが、とても信じられねえ。
「んで、あんたらは一体ここで何をしてんだ?」
「んー、まあ、軍の機密事項は話せないけれど、それ以外なら。僕ら兄弟の任務はこの周辺一帯の魔物の調査さ。最近さらに数が増えてきてね。国に被害が出ないよう、駆除もある程度はする」
「そうか、まあ、風と火の属性ならよ、倍率も高えし、やられる心配はないってか」
「ん? ああ、属性の倍率……ね。そちらでは属性によって倍率に差があるんだったね。こちらにはそんなものないけど」
「……は?」
思わずメルリと目を合わせる。いやいや、そんなわけねえだろ。まだ戦争でどっちが悪いなんて認識がズレんのはわかるがよ、属性の性質に違いがあるはずがねえ。
「はっきり言うよ。君たちは騙されている。属性に違いはない。本人の素質と努力。そういったものが合わさって実力はきまっていくんだ」
「いや、いやいや。それだけはありえねえよ。事実、俺の国では闇属性は明らかに弱え。そんで、光属性はとんでもねえ強さだ」
今度はレンドがクレアと目を合わせ「やれやれ」とでも言いたそうな呆れ顔をしてやがる。
「闇属性の人間なんて、存在しないよ。少なくとも、アルテリアではね」
……な、なに言ってやがんだこいつ。だってよ、俺は確かに闇の力を使ってるしよ、家族はみんな闇属性だぜ?
「あのね、ラット君。光属性も、伝説になるくらい珍しい存在なの。闇属性は、魔物専用の属性よ」
「ま、待ってくれ。話が見えねえ。お、俺が魔物に見えるか?」
「いやまったく。ただ、闇属性なんてものは感じないな」
「そうね」
なんだ? おかしいぞこれ。あっ!
「そ、そうだ。俺はリーシュ王国の連中と戦ったことがあるんだが、あいつらも俺を見て闇属性って言ってたぞ」
「リーシュも君たちの国と同じさ。何かに騙されている」
あー、話になんねえ。騙されてんのはそっちじゃねえか?
「それだけじゃねえぞ。光属性は知り合いにいる。あいつは、アユミはものすごい力を持ってるのが俺にもわかった」
レンドとクレアがわずかに反応しやがった。なんだ? アユミのことか?
「まあ、他のやつは会ったことがねえからわからねえがよ、あいつは本物だ。間違いねえよ」
「そうか、ありがとう。僕らも国も、まだまだ勉強不足なところがあるからね。ラット君の話は興味深いよ」
「え? お、おう。そうか」
そこで話はお開きになった。俺たちは一泊することを許され、飯や風呂までご馳走になっちまった。ちなみに、この家の地下にはでっけえ結果石があるらしい。敷地を出ない限り、魔物に襲われることはないんだと。そんで、明日の朝、これからどうするかを話し合うことになった。
ふかふかのベッドに横たわるが、どうにも頭がうまく回らねえ。どう考えてもおかしな話だったがよ、それでもあいつらが嘘をついているって感覚が持てねえ。
「ラット。ちょっと来て」
――。はぁ、もう慣れたぜ兄弟。いや、むしろ俺は話したかったんだ。
「ぼくちゃんにも聞こえてきたよ、さっきの話」
「え、そんなに鮮明にわかるもんなのか?」
「あれだよ、壁に耳をつけるとさ、隣の部屋の声が少し聞こえるでしょ? そんな感じ」
「ああ、なるほど。んで、タコ助どう思う?」
「う~ん……すべてが嘘ではない、気がするかな」
俺も思わず頷く。そうなんだよ、変な感覚だ。
「特にさぁ、闇属性なんてものはないってとこ。ここは一番引っかかるかな~。なんていうか、そこにできてる階段の先にはさ、ラットの本当の力が眠ってるんじゃないかって思うんだよ。そう思わせてるのは彼の存在だけれどね~」
もう一人の俺はだんまりを決め込んでやがるが、確かにこいつは先にある何かを求めている。そんで、階段を降りれば降りるほどに俺の力は伸びている。もちろん、これだけで全てがわかるわけじゃあねえが、そう考えたくもなるぜ。
「アユミについてはどうだ? 光属性なんてものはそうそうねえって言ってたが」
「そうだねぇ。事実だけを並べるなら、ハーベスト王国には光属性と呼ばれる人物が王都にいて、彼らはとても強い力を持っているってこと。ただ、それに反論するなら、僕らの思ってる光属性とアルテリア王国の言う光属性が別物って可能性がある。そんな感じかな」
「……ああ。そうだな。ま、沢山の光属性に会ってみなけりゃわかんねえって話か」
「ぼくちゃんもそう思う。あ、そうだ、階段。また行き止まりまで行ったみたいだよ。ペース早いね~」
「マジか」
実際に見てみると、確かに途中で途切れてやがる。前回はかなり戦わねえと行き止まりまで行けなかったがよ、ライオンと戦ったせいか? まあ、なんにせよまた壁にぶち当たったみてえだ。それによ……。
「崖、だよね」
「崖、だな」
今回は途切れた真下に部屋の入り口が見える。だがよ、ここから落ちたらさすがに死ぬ。まあ、肉体がないからどうなるかわかんねえけど、試すのも相当危険だ。
「また、何かのきっかけがあるまでは進めないかもね」
「そうだな。町に戻ったらよ、またメルリに絵を描いてもらうか」
「ああ、試す価値はあるかもね~。とにかく今は、無事戻ることを優先してね」
「わかった」
――。また朝か。体は……おう、一応全回復してんな。階段を降りるごとに回復力も増してる気がするぜ。よし、まずはあのライオンを避けるなり倒すなりする手段を考えねえとな。
「じゃあよ、ここら辺にお互いの砦があんのか? よく小競り合いが起きてるって」
「うーん、ここより東と西にはあるね。でも、どちらも樹海の影響が薄くなっている場所さ。正直、この辺りは魔物が多すぎて、一般兵だと敵国と戦うどころじゃなくなるからね」
確かに、俺たちはライオンから逃げるためにかなりの速さで素通りさせてもらったが、ゆっくりお散歩でもしようもんなら、他の魔物と戦うことになってたかもしれねえ。
「なあ、俺はその、国とか政治とかには詳しくねえんだがよ。なんでアルテリア王国はハーベストを攻めるんだ?」
「ん? ……それは聞き捨てならないね。先に仕掛けてきたのはハーベストだよ」
「え?」
俺が聞いた話では、南からアルテリアが攻めてくるから、その防備として騎士団が砦に入ってるって話だった。
「……なるほどね。ハーベストでは国民向けにそういった宣伝をしているわけだ。でもね、ラット君。この大樹海の北、つまり君たちの国の領土だね。そのあたりも昔は魔物が少なく、他の少数民族の小さな集落が沢山あったんだよ。我々の国に当時の交流の文献なんかが残ってる。けれど、武力でハーベストが領土を拡大してしまったんだ。それからだよ、樹海に強い魔物が一気に増えたのは。一説には、少数民族の呪いって話もあるんだ」
とても信じられねえ話だった。だが、クレアの方へ視線を移しても、頷くばかりだ。少なくとも、レンドが今作った話をしているわけではなさそうだな。だが、とても信じられねえ。
「んで、あんたらは一体ここで何をしてんだ?」
「んー、まあ、軍の機密事項は話せないけれど、それ以外なら。僕ら兄弟の任務はこの周辺一帯の魔物の調査さ。最近さらに数が増えてきてね。国に被害が出ないよう、駆除もある程度はする」
「そうか、まあ、風と火の属性ならよ、倍率も高えし、やられる心配はないってか」
「ん? ああ、属性の倍率……ね。そちらでは属性によって倍率に差があるんだったね。こちらにはそんなものないけど」
「……は?」
思わずメルリと目を合わせる。いやいや、そんなわけねえだろ。まだ戦争でどっちが悪いなんて認識がズレんのはわかるがよ、属性の性質に違いがあるはずがねえ。
「はっきり言うよ。君たちは騙されている。属性に違いはない。本人の素質と努力。そういったものが合わさって実力はきまっていくんだ」
「いや、いやいや。それだけはありえねえよ。事実、俺の国では闇属性は明らかに弱え。そんで、光属性はとんでもねえ強さだ」
今度はレンドがクレアと目を合わせ「やれやれ」とでも言いたそうな呆れ顔をしてやがる。
「闇属性の人間なんて、存在しないよ。少なくとも、アルテリアではね」
……な、なに言ってやがんだこいつ。だってよ、俺は確かに闇の力を使ってるしよ、家族はみんな闇属性だぜ?
「あのね、ラット君。光属性も、伝説になるくらい珍しい存在なの。闇属性は、魔物専用の属性よ」
「ま、待ってくれ。話が見えねえ。お、俺が魔物に見えるか?」
「いやまったく。ただ、闇属性なんてものは感じないな」
「そうね」
なんだ? おかしいぞこれ。あっ!
「そ、そうだ。俺はリーシュ王国の連中と戦ったことがあるんだが、あいつらも俺を見て闇属性って言ってたぞ」
「リーシュも君たちの国と同じさ。何かに騙されている」
あー、話になんねえ。騙されてんのはそっちじゃねえか?
「それだけじゃねえぞ。光属性は知り合いにいる。あいつは、アユミはものすごい力を持ってるのが俺にもわかった」
レンドとクレアがわずかに反応しやがった。なんだ? アユミのことか?
「まあ、他のやつは会ったことがねえからわからねえがよ、あいつは本物だ。間違いねえよ」
「そうか、ありがとう。僕らも国も、まだまだ勉強不足なところがあるからね。ラット君の話は興味深いよ」
「え? お、おう。そうか」
そこで話はお開きになった。俺たちは一泊することを許され、飯や風呂までご馳走になっちまった。ちなみに、この家の地下にはでっけえ結果石があるらしい。敷地を出ない限り、魔物に襲われることはないんだと。そんで、明日の朝、これからどうするかを話し合うことになった。
ふかふかのベッドに横たわるが、どうにも頭がうまく回らねえ。どう考えてもおかしな話だったがよ、それでもあいつらが嘘をついているって感覚が持てねえ。
「ラット。ちょっと来て」
――。はぁ、もう慣れたぜ兄弟。いや、むしろ俺は話したかったんだ。
「ぼくちゃんにも聞こえてきたよ、さっきの話」
「え、そんなに鮮明にわかるもんなのか?」
「あれだよ、壁に耳をつけるとさ、隣の部屋の声が少し聞こえるでしょ? そんな感じ」
「ああ、なるほど。んで、タコ助どう思う?」
「う~ん……すべてが嘘ではない、気がするかな」
俺も思わず頷く。そうなんだよ、変な感覚だ。
「特にさぁ、闇属性なんてものはないってとこ。ここは一番引っかかるかな~。なんていうか、そこにできてる階段の先にはさ、ラットの本当の力が眠ってるんじゃないかって思うんだよ。そう思わせてるのは彼の存在だけれどね~」
もう一人の俺はだんまりを決め込んでやがるが、確かにこいつは先にある何かを求めている。そんで、階段を降りれば降りるほどに俺の力は伸びている。もちろん、これだけで全てがわかるわけじゃあねえが、そう考えたくもなるぜ。
「アユミについてはどうだ? 光属性なんてものはそうそうねえって言ってたが」
「そうだねぇ。事実だけを並べるなら、ハーベスト王国には光属性と呼ばれる人物が王都にいて、彼らはとても強い力を持っているってこと。ただ、それに反論するなら、僕らの思ってる光属性とアルテリア王国の言う光属性が別物って可能性がある。そんな感じかな」
「……ああ。そうだな。ま、沢山の光属性に会ってみなけりゃわかんねえって話か」
「ぼくちゃんもそう思う。あ、そうだ、階段。また行き止まりまで行ったみたいだよ。ペース早いね~」
「マジか」
実際に見てみると、確かに途中で途切れてやがる。前回はかなり戦わねえと行き止まりまで行けなかったがよ、ライオンと戦ったせいか? まあ、なんにせよまた壁にぶち当たったみてえだ。それによ……。
「崖、だよね」
「崖、だな」
今回は途切れた真下に部屋の入り口が見える。だがよ、ここから落ちたらさすがに死ぬ。まあ、肉体がないからどうなるかわかんねえけど、試すのも相当危険だ。
「また、何かのきっかけがあるまでは進めないかもね」
「そうだな。町に戻ったらよ、またメルリに絵を描いてもらうか」
「ああ、試す価値はあるかもね~。とにかく今は、無事戻ることを優先してね」
「わかった」
――。また朝か。体は……おう、一応全回復してんな。階段を降りるごとに回復力も増してる気がするぜ。よし、まずはあのライオンを避けるなり倒すなりする手段を考えねえとな。
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