闇属性のバーサーカー

 属性で人の価値が決まる世界。それもそのはず、人が持っている力と魔力は、属性によって倍率が変わってしまうからだ。

 闇属性だけが集まる名もない村。そこでラットは育った。いつも一人丘に登り、遠い王都を見つめる。国の中心は光属性の者たちが暮らしているため、虹色の魔力で満たされている。
 見えるのに掴めない虹を羨むたびに、ラットの心は歪んでいく。

「仕方がないさ。属性が違うんだから。気にするだけ無駄だぜ、兄弟」

 友人や兄弟の言葉は彼には届かない。だから今日も暇さえあれば丘に登り、虹を見つめる。

 だが、彼には人にはない才能があった。

 これは、人から見下され、差別されている闇属性の少年が「暗黒の狂戦士」として成り上がる物語である。
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