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第一章  ~騎士団~

双剣

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俺は双剣を、サイリさんは槍を構えて向かい合う。

本当なら鑑定を使いたいが、団長にも禁止されたし、自分の実力を計るためにも今は使わない。

以前に団長と訓練したときとは、また違った緊張感が流れ始める。

あれ?今流れで双剣構えてるけど、俺双剣なんて扱ったことないよな?

どうしよう、俺詰んだ。

自然と顔が真っ青になる。

今の俺の顔は、さぞ団長と似通っているだろう。

「どうしたの?そんなに顔を真っ青にさせて。」

「えっ、いや、俺双剣なんて扱ったことないんだけどいいの?」

サイリさんはとても良い笑顔で言い切った。

「身体に叩き込むからいいわ。双剣に流派とかはないもの。自分に合った戦い方が分かっていいじゃない。」

「マジかよ、、、。」

「それに自分で選んだんだから、責任を持ちなさい。」

視界の隅に復活した団長とセバスさんが、申し訳なさそうな顔をして立っている。

そんな顔してないで止めてよ!

えっ?無理?いやいやいや、団長の奥さんでしょう!

そんなに激しく首を横に振ってる暇があるなら止めろ!

「大丈夫よ。死にはしないから。」

「そーいう問題じゃなくて!」

サイリさんは、言い終わると同時に俺の間合いの外から槍を突き出してくる。

俺は自分の勘を信じ、横に避ける。

避けることには成功した。

しかし、その一撃は俺の目には捕らえられなかった。

俺の頬に冷や汗が伝う。

「あら~、今の一撃を避けるなんてやるじゃない。でも、双剣を選んだかいがないわね。」

やるじゃない、って言われても俺は勘で避けただけだ。

双剣なんて選ぶんじゃなかった。

仕方ないじゃないか!カッコイイだろ、双剣!

男のロマンだ!!

そこ!厨二って言わない!!

けど、双剣での戦い方なんて見たことないから分からないし。

ヤバいヤバいガチでヤバい。

そんな俺の様子を見かねたのか、ヒントをあげましょうか、と攻撃の手を止めて言った。

「双剣の利点は、その圧倒的な手数の多さよ。
まさに、攻撃こそは最大の防御を地で行くような武器ね。」

手数の多さか、そういえば目が覚めてからステータス見てなかったけど敏捷性上がってるかな。

確認しておくか。

(ステータスオープン)

・ステータス

ユウト・バラン    

レベル      30  (年齢 10)      

生命力  270             
魔力   270                    
力             240                      
体力   240                      
器用さ  250                      
敏捷性  240                    
知力   270                      
幸運   254                   
称号  器用貧乏

スキル
成長率上昇シリーズ【生命力成長率2倍】 etc.
【鑑定】   レベル MAX
【隠蔽】   レベル MAX
【剣術】   レベル 6 
【火魔法】  レベル    4
【水魔法】  レベル 3
【風魔法】  レベル 3
【土魔法】  レベル 3
【雷魔法】  レベル 5
【光魔法】  レベル 3
【闇魔法】  レベル 3
【時空魔法】 レベル 2
【空間魔法】 レベル 1
【治癒魔法】 レベル 4
【強化魔法】 レベル 6
【無詠唱】  レベル 3

ユニークスキル
【模倣】   レベル MAX
【切断】   レベル MAX
【指揮】   レベル 5

加護
【地球の神の加護】

はぁ!?チート加速しすぎ!

俺がステータスに気を取られている間にも、サイリさんの話は続く。

「双剣は、その分使い手の技術がもろに反映されるのよ。未熟な者が使うと隙が多いように、熟練した者が使うと攻防一体の武器になるわ。」

だから、頑張りなさいね、と怪しく微笑む。

「じゃあ、ヒントもあげたことだし、始めましょうか。」

言葉と同時に、また間合いの外から槍が来る。

俺は、ステータスを見ながら話を聞いていたため、一瞬反応が遅れる。

前のように、避けるには間に合わない。

ならば、受かるしかない!

キィン

剣と槍がぶつかり合う音が響く。

俺は片手に持つ剣で槍を弾き、もう片方の剣で、がら空きの胴を狙うために迫る。

今度は、サイリさんが弾かれた槍の柄で剣を受け止める。

だが、、、。

なるほど。片方が受け止められても、もう片方で攻められるのか。

ニヤリと口角が上がったのが分かる。

俺も人のこと言えないな。

戦闘狂いの気があるのかもしれない。

「戦いの最中に違うことを考えるなんて余裕ね!!」

だけど、調子に乗ならいでよ!と叫びと共に柄を大きく跳ね上げ、俺の上がった腕の隙間から首に向かって鋭い突きを放つ。

俺はバックステップをして、慌てて距離を取る。

しまった!槍に対して剣は、距離を取った方が不利だ!

気づいたときにはもう遅い。

剣の間合いの外から次々と鋭い突きが放たれる。

俺は必死に避け、いなし、なんとかして刃の届くところに飛び込もうとする。

だが、隙がない。

隙がないなら作ってやる!

俺は一瞬深く伏せることで、槍をかわす。

サイリさんが俺を見失った時を狙って剣の届くところへ移動し、首を狙う。

そこへ、体勢を持ち直したサイリさんが柄で弾こうとする。

また同じようなヘマはするかよ!

狙った初撃が防がれるのは予想済みだ。

ならば、重要となるのはその次に続く攻撃。

俺はひたすら切りかかった。

両手で攻める分、手数の多さは圧倒的だ。

だが、、、

「甘いわね。」

ヒュン

今までとは比べものにならない、鋭い突きが放たれ、腕をすり抜け首筋で止まった。

「、、、。参りました。」

俺は負けを認めた。
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