クマの短編ホラー小説

クマミー

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暗い路地の噂 

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「あの…マサキさん、私最近誰かに尾けられてるきがするの…。」

「え?本当に?もしそんな奴が来たら俺がぶっ飛ばしてやるよ!」
(ここで守れる男を出せたら俺の好感度は上がるぞ…!)

「本当に出来るの?」
カオリはマッチングアプリで知り合ったマサキという男の腕にしがみついた。
(これは見込みありか…?!)

しばらく歩いて路地に入った。

「ねぇ、ネットで若い男性ばかり消えてる路地の噂がバズってるって知ってる?」

「あ?ああ、ネットでは宇宙人、吸血鬼とか神隠しとか色々噂してるよな。それがどうかした?」

「ここがその路地なの。」
マサキは急に異常な威圧感を感じた。今すぐこの路地から逃げ出したかった。

「カオリちゃん!なんかヤバいよ!この路地!逃げよう!」
カオリの腕を引いて走ろうとしたが、急に腕の力が抜けて転んでしまった。
 
 いや、力が抜けたのではない。マサキの右腕はカオリが持っていた。カオリは異常な力でマサキの右腕引きちぎったのだ。悲鳴を上げる間も無く喉を潰され、残りの手足をもがれた。マサキは生きたまま、跡形もなくカオリに喰われた。

 体中真っ赤に染まった人喰い女は「どうしよう…あの路地歩いてたら一緒にいた男の人がいなくなっちゃった…。」そのようにSNSで投稿し、
「また着替えなくちゃ…。明日2件営業に会議かよ…だる…」
と呟き、夜の闇に消えていった。


 カオリは今夜も路地に男を誘い込み、喰っている。
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