クマの短編ホラー小説

クマミー

文字の大きさ
上 下
11 / 20

美味いキノコにはヒミツがある ※ちょいグロ

しおりを挟む

 A市の特産品は豊かな自然を活かした採れたての野菜!A市に暮らす人々はみんな野菜が大好きだ。

 中でもキノコは絶品だ。種類豊富、栄養満点、そして、美味い!どんな料理にでも合う、まさに万能食材なのだ。


 キノコを育てているK氏は、人柄も良く、A市ではとても有名だ。様々な種類のキノコが栽培場の地面はもちろん、壁、天井も埋め尽くしている。時々自分の体からもキノコが生えてたこともあるという噂だ。皆「キノコじいさん」と呼んでいる。


「なあ、じいさん、あんたのところのキノコ、どうやって育ててるんだよ?教えてくれたっていいだろ?」
同業者のT氏は何とかキノコじいさんから技術を聞き出そうと必死だ。
「ダメだ!ダメ!企業秘密だよ。25年の間に培ってきたノウハウなんだ。簡単には教えられんよ。」
キノコじいさんの口は堅い。

 T氏は今日のキノコじいさんのとやりとりを妻に愚痴った。
「ダメだ…あのじいさん、全然教えてくれない。少しくらい教えてくれたっていいのに。」

「仕方ないじゃない。生活がかかってるんだから。今夜はキノコの炊き込みご飯とキノコシチューですよ。あなたの大好物でしょ。」


「悔しいが美味いな。いつか栽培場にでも忍び込んで、この美味さの秘密を…」

「次のニュースです。A市でキノコ栽培で有名なK氏のキノコ栽培場から複数の遺体が発見されたとし、殺人の容疑で逮捕されました。」

「えーっ!?嘘!?」
T氏の家族全員が驚きを隠せなかった。

「キノコ栽培に関する秘密を知った同業者を殺害、その遺体を長年、キノコの原木として利用、栽培場に隠していたとし、殺害、死体損壊の罪などに問われています。さらに血液が肥料として利用されていたと発覚…」

アナウンサーは淡々とニュースを伝えている。


「今回の栽培方法でつくられたキノコがいつから、どのくらい出荷されていたかは現在調査中とのことです…」

 

 夕食で出た料理はたった今、全て完食してしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ガーディスト

鳴神とむ
ホラー
特殊な民間警備会社で働く青年、村上 祐司。 ある日、東つぐみの警護を担当することになった。 彼女には《つばき》という少女の生霊が取り憑いていた。つぐみを護衛しつつ《つばき》と接触する祐司だが、次々と怪奇現象に襲われて……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

日常の怪

怪奇 ひろし
ホラー
令和の日常に潜む怪異の話。

【1分で読めるショートショート】ゾクッとする話

しょしお
ホラー
日常に潜むちょっと怖い話です。暇つぶしにどうぞ。不定期ですが、少しずつ更新していきます。 中には1分で読めないもの、ジョークものありますがご容赦ください。

無名の電話

愛原有子
ホラー
このお話は意味がわかると怖い話です。

ロスト・ボーイ・メディア 【このCM探してください】

二階堂まりい
ホラー
ある夜に、私が見ていたネット上の匿名掲示板で起こっていたことの記録です。 過去ログが消失しているようなので、記憶を元に当時の私の感想も交えながらまとめました。 特定を避けるために固有名詞は極力出さないようにしております。 ご理解いただけると幸いです。

怪異語り 〜世にも奇妙で怖い話〜

ズマ@怪異語り
ホラー
五分で読める、1話完結のホラー短編・怪談集! 信じようと信じまいと、誰かがどこかで体験した怪異。

処理中です...