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美味いキノコにはヒミツがある ※ちょいグロ
しおりを挟むA市の特産品は豊かな自然を活かした採れたての野菜!A市に暮らす人々はみんな野菜が大好きだ。
中でもキノコは絶品だ。種類豊富、栄養満点、そして、美味い!どんな料理にでも合う、まさに万能食材なのだ。
キノコを育てているK氏は、人柄も良く、A市ではとても有名だ。様々な種類のキノコが栽培場の地面はもちろん、壁、天井も埋め尽くしている。時々自分の体からもキノコが生えてたこともあるという噂だ。皆「キノコじいさん」と呼んでいる。
「なあ、じいさん、あんたのところのキノコ、どうやって育ててるんだよ?教えてくれたっていいだろ?」
同業者のT氏は何とかキノコじいさんから技術を聞き出そうと必死だ。
「ダメだ!ダメ!企業秘密だよ。25年の間に培ってきたノウハウなんだ。簡単には教えられんよ。」
キノコじいさんの口は堅い。
T氏は今日のキノコじいさんのとやりとりを妻に愚痴った。
「ダメだ…あのじいさん、全然教えてくれない。少しくらい教えてくれたっていいのに。」
「仕方ないじゃない。生活がかかってるんだから。今夜はキノコの炊き込みご飯とキノコシチューですよ。あなたの大好物でしょ。」
「悔しいが美味いな。いつか栽培場にでも忍び込んで、この美味さの秘密を…」
「次のニュースです。A市でキノコ栽培で有名なK氏のキノコ栽培場から複数の遺体が発見されたとし、殺人の容疑で逮捕されました。」
「えーっ!?嘘!?」
T氏の家族全員が驚きを隠せなかった。
「キノコ栽培に関する秘密を知った同業者を殺害、その遺体を長年、キノコの原木として利用、栽培場に隠していたとし、殺害、死体損壊の罪などに問われています。さらに血液が肥料として利用されていたと発覚…」
アナウンサーは淡々とニュースを伝えている。
「今回の栽培方法でつくられたキノコがいつから、どのくらい出荷されていたかは現在調査中とのことです…」
夕食で出た料理はたった今、全て完食してしまった。
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