クマの短編ホラー小説

クマミー

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影が追いかけてくるっ!③〜クローゼットの中で〜

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 すぐに電気を消すはずが、驚いて尻もちをついてしまい、消せなかった。すぐに奥のリビングに逃げ込んだ。影は葵を捕えようと迫ってきた。葵はクローゼットの中に隠れた。暗くて何も見えない。追ってくる影が全く見えない。

「ドコダ…ドコニイル…クレ…カラダ…」
怒り、悲しみ、恨み、憎しみ、この世の憎悪が入り混じったような声が確実に私の方に近づいて来ている…。
すぐ近くに気配を感じる。奴がここにいる。
「クライ…クライ…カラダハ…ドコダ…」
「そうだ…!ペンダント!ちぎって遠くに投げれば…!」
葵はペンダントをちぎろうとしたが、ちぎれない。どんなに力を込めて引っ張ってもちぎれない。

 
 真っ暗なクローゼットの中でじっとしていると、声が止んだ。諦めて部屋から出ていったのか?しかし、嫌な感じは消えてない。


 いや、あの恐ろしい影は諦めてない。葵はゾクッとした。


 間違いない…葵は感じた…あの影は…


 葵のすぐ目の前に立っていた…!


 1歩も動けないくらい怖かった。そんな中、不思議なことに、誰かに見守られている視線を感じていた。葵は少しだけ勇気が出た。もう一度ペンダントのチェーンを引っ張ると、簡単に切れた。

 葵はクローゼットを出て、ゆっくりベランダまで向かった。影も葵をゆっくり追って来ている。ペンダントを投げた。すると黒い大きな影が投げたペンダントを追っていった。影はペンダントに吸い込まれていったように見えた。葵はすぐにベランダの扉とカーテンを閉めた。

 あの影は去ったのか…?葵はあの恐ろしい気配が消え、しばらくその場に座り込んでしまった。その日は一晩中起きていてた。部屋を真っ暗にして。
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