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ネリーニ 3−2

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「ぐっ……!」
短い声をあげて男が果てると、漸く口から凶器が出て行く。
口元を拭うネリーニの顔をエディアルはギラついた目で見つめ、
「スカートを捲って壁に手をつけ」と言ってきた。
「なっ……」
「早くしろ」
「ちゃんと口でしたのに!」
「おさまらないんだから仕方なかろう、早くしないと午後の授業が始まってしまうぞ?」
「今からそんなことをされたらそれこそ授業に遅れてしまいます!」
「遅刻しても問題ないようにしてやる」
そう言いながらエディアルは伝聞魔法を放つ。
緊急の連絡に使うものなのに、この男は、こいつらは世話係の呼び出しやこんなことの根回しに使っている。
唾棄すべき行いなのに、これを使うことによって何の証拠も残らないことはネリーニにとっても有難いことだった。

「これで問題ないだろう」
「…………」
「俺に脱がせて欲しいならそうしてやるが、薄い布など剥ぎ取って切り裂くことになるぞ?この後どうやって寮まで戻る気だ?」
「っ!」
悔しさに歯噛みして睨みつけるも、華奢で小柄なネリーニがやっても小動物のように可愛いらしいだけだ。
そっぽを向いて顔を背けると、言われた通り壁に手を付いた。

速攻でエディアルが突き込んできた。
「は……っ!」
衝撃で思わず声が漏れる。
全く解されていないが、ネリーニの体はもう奉仕の時は条件反射で濡れるようになっている。
感じているのでなく、防衛本能の一種だとネリーニは思っている。
遠慮なくがしがしとがっついて腰を使うエディアルは既に二度出しているせいか、なかなか果てずにネリーニの中を蹂躙した。
ネリーニは既に壁に手をついていても立っているのすら難しく、揺さぶられる度に膝から崩れ落ちそうになった。

それを腰を抱えて持ち上げながら、「上手く飲み込むようになったな__お前も、……のように、___になりたいか?」そう嘯く声は聞かなかったことにした。
(これは、空耳だ)
ネリーニは王太子とフローリアが恋仲だった話など信じてはいなかった。

彼女は、フローリアは__捕らわれたのだ。
この男と同じく誠実の仮面を被った王太子に「卒業するまで」という約束さえ守られず、体だけでなく未来まで奪われた。
王太子がそうしたことで、この男の自分に対する執着が深まった気がする。

ネリーニは漠然とした不安を抱えたまま、中で果てたエディアルが「午後最初の授業は休んでも問題ないように手をまわしておく」と自分の衣服を整えて去ろうとしている姿を見遣る。
「あ、待って、まだ」
薬を貰っていない。
「薬は放課後だ、ちゃんと来るんだぞ」
「そんな……」
昼休みにこれだけ犯しておいて。
「文句があるなら来なくてもいいぞ?その代わり今日の分の薬はやれんがな」

___こんな奴ら、地獄に落ちてしまえばいい。
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