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19 手紙 その4
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手紙通りやって来た両家夫妻とのお茶会にはマリーローズも同席することになった。
同じ話を二度繰り返すのは時間もかかるし、二人の間の認識の齟齬が明らかである以上、違いをいちいち指摘するのが面倒なので__というかぶっちゃけ、外面の評価がやたら高いこの似非騎士は自分がいた方がボロを出しやすい気がしたからだ。
「あの獣に顔を見せて差してあげる必要なんてないのに……」
と反対していたハンナも、
「ハンナと護衛の騎士が三人もいてくれるのだから大丈夫でしょう?頼りにしているわ」
との言葉に、
「お任せください!」
と俄然やる気になった。
「お待たせいたしました」
とマリーローズが到着した応接間には、既に全員が揃っていた。
「お待たせして申し訳ありません、結婚式での出来事に対して、労りに見せかけた嘲笑の手紙が存外多くて格闘しておりましたもので」
入室一番で先制をくらったアベルは一応ホスト席にいるものの、顔色を悪くさせて何か言いかけた口を閉じた。
「嘲笑の手紙だと?」
不快そうに言うセントレイ伯爵に、
「当然ではありませんか。あの時あの場でカイゼル侯爵家、並びにセントレイ伯爵家はじめ私に味方して寄り添う者は皆無でしたもの。あのさまを見た人々は思ったはずですわ。あゝこの軽んじられた花嫁は侮って良いのだ、取るに足りない小娘なのだと」
「そんなことは_…!「元凶は黙ってください」っ、」
立ち上がりかけた似非騎士を抑えたのは背後に控えた従僕である。
同じテーブルについているとはいえ、私と似非騎士はこの室内では一番離れた場所に座っている。
似非騎士の背後には屈強な従僕二人、両側にはモンドとマリアが控えている。
そして私の両側にはハンナとカール、背後にはファナとルイスが控えている。
まさに鉄壁の守り(ハンナはティーポットを抱えたし、カールとルイスに至っては抜剣しそうだった)で、せっかく作ったコレは出番がないかもしれない。
「おっほん!」
とモンドに促されたアベルは居住まいを正し、
「このたびはご心配をかけて申し訳ありません、セントレイ伯爵、いや義父殿、義母殿。父上と母上にも」
「セントレイ伯爵で構わん、じきに義父ではなくなるからな」
「そのような……、結婚式でのこと、お詫びのしようもございません。重ねて謝罪が遅くなったこと、まことに申し訳ございません」
「先に詫びる相手が違うのではないか?」
というセントレイ伯爵の言葉に、
「いえ、妻への謝罪は既にす、ぐっ?!」
“す“のところで「てぃっ!」という小さな声と不自然なシュ、という擬音が混じった。
「申し訳ありません。手が滑ってしまいましたわおほほ」
とマリアが口元だけで笑う。
(今、手刀入れたよね?首の付け根に)
「旦那さま、訂正を」
とこちらも貼りつけた笑みを浮かべたモンドが促すと、
「マリ…、いや妻には改めて正式に謝罪して許しを乞うつもりでおります故ご心配には及びません」
「今から?あなた十日間何やってたの?」
「色々と忙しく、私が至らないばかりに妻には寂しい思いをさせておりました。これから挽回するつもりでさらに精進するつもりでおります」
いや、寂しくしてないし精進いらんから離婚してくれ__とは口に出さず、マリーローズはただ冷めた表情を浮かべていた。
「えー…、コホン。息子はこう言ってるが、どうかね?マリーローズ嬢」
「挽回の余地はございません。離婚を希望します」
「マリーローズ!」
「口では何とでも言えますわ。“精進“とか“挽回“とか仰ってますが具体的に何をするつもりなのか考えただけで恐ろしいですわ。私が何をしたら喜ぶか、何をされたら嫌がるかを一切わかっていない殿方がやらかすことなんて」
「……そんなことはしない」
「既に盛大にやらかした後ですが?」
「そのことについては謝る!私が愚かで浅はかな行動をした!心から申し訳なく思っている」
「行動で示してくださいな。__因みに私が何をすれば喜ぶのか、見当はついていらっしゃるのですか?」
「一緒に選んだ時、君が好んで手にした物の色や形は記憶している。ドレスでも宝石でも、君は青色を手にとることが多い。宝石は大きな物より小ぶりなものを好む」
(記憶してんのか、怖いな)
「今は青は好きではなくなりました。それだけですか?ただ何かプレゼントして頭を下げれば良いと?」
「こ、これからは君の意見を聞く!だから_…」
「だから?」
「教えてくれ。君の好きなもの、好きなこと、嫌いなものも_…ここにいて教えてくれ」
まるで『こう聞かれたらこう答えよう』の教本のようだ。
前のマリーローズなら絆されただろう、今は中身が違うので無理だが。
「好きなものは色々ありますが今欲しいのはサインされた離婚届、嫌いな事は夫婦の閨事、嫌いなものは妻を放って別の女性の元へ馳せ参じる男ですかね?」
「__それは、」
「もう良い。お前の気持ちはわかった、マリーローズ。この男と離婚したいのだな?」
「はい、セントレイ伯爵さま」
「……もうお父様と呼んではくれないのか」
「今の私の籍は“ロード伯爵家“ですから。そうお決めになられたのはセントレイ伯爵さまでは?」
「私が悪かった。王命とはいえ、お前に何も言わせずこの結婚を押し進めた事、あの結婚式の時一番傷ついただろうお前に寄り添えず、夫の顔を立てるべきだと促したことも__すまなかった」
とセントレイ伯爵が頭を下げた。
これにはマリーローズの方が面食らった。
(娘とはいえ、伯爵家当主が頭を下げるなんて……!)
「それで改めて確認したいのだが、手紙にあった事は事実なんだな?」
「もちろんです。急ぎの手紙でしたので詳細は書けませんでしたが」
と前置きして、マリーローズはこの邸に着いてからあった事をひとつひとつ説明して行き、
「これは事実ですかな?」
と伯爵がアベルに確認して行く件になった。
「はい、事実です」
と最初は端的に頷いていたアベルだが、話が進むにつれて段々と頭が下がり、「はい……」と答える声も小さくなっていく。
一連の説明が終わると、
「何ということだ……!」
と頭を抱えたのはカイゼル侯爵だった。
「も、申し訳ありません父上……!俺、いえ私が未熟だったこと承知しております!ですが結婚式の事は決して私が意図したことでは、」
「そんなことはわかっていてよ。問題はその後よ。あなた、妻を何だと思っているの?」
と続けたのは侯爵夫人だ。
「それはその、私が不勉強でした!あの時は“花さえ買って帰れば良い“と_…あ!そうだ、花__モンド、あれを!」
「はい、旦那さま」
言われてモンドが持って来たのは一輪挿しに入った一本の金色の薔薇だった。
初めて見る色だ。
「これは国内ではほんの一部にしか咲かない、珍しい花なんだ。あの時は急いで買って来たからありふれた薔薇しか用意出来なかったが、この色の方が君に似合うと思ったんだ……どうだろう?君の黄金の髪と同じ色だ」
「まあ……」
「これは……!」
と侯爵夫人とグレンダも感嘆の声をあげる。
確かに一本だけなのに素晴らしい存在感と華やかさを纏った薔薇だった。
「……!……」
マリーローズも、一瞬息を呑んで見惚れた。
「……綺麗ですね」
花に罪はない。
そう思ってのひと言だったが、そうでもなかった。
「そうだろう?王女殿下に特にお願いして譲っていただいたんだ。この花は王宮にしか植えられていないから」
と続いた言葉に、(意外とあった。うん、コレも必要だったわ)とすぐさま戦闘モードに移行した。
気がついたら大分近くまで来ていた似非騎士の後ろに、モンドが腰砕けて崩折れているのが見える。
「ロード伯?頭がこの辺りになるまで屈んでください」
私はにっこり笑ってそう命じた。
言われるまま屈んだ似非騎士の頭上にその一輪挿しを載せると、挿された薔薇を抜き取った。
「ハンナ、王女殿下に送り返しておいて。“必要なくなったから“、と__それとあれを」
「かしこまりました、お嬢様」
薔薇を受け取ったハンナが、引き換えるように何かをマリーローズに手渡した。
「マリーローズ?」
「動かないでくださいね?旦那さま」
その頭、かち割られたくなかったら。
言い終わるのと同時に、私は手にしたハリセンを振り抜いた。
一瞬後、似非騎士の頭上にあった一輪挿しが、吹っ飛んで粉々に砕け散った。
*・゜゚・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゚・*
ハリセンの出番までが意外とかかっちゃったのでお裁きの後編は次回!!
明日書き上がるか正直わからない!!( ̄▽ ̄;)
昨日も感想祭りありがとうございました❣️
楽しませていただきました(⌒▽⌒)♪
引き続きよろしくお願いします!
同じ話を二度繰り返すのは時間もかかるし、二人の間の認識の齟齬が明らかである以上、違いをいちいち指摘するのが面倒なので__というかぶっちゃけ、外面の評価がやたら高いこの似非騎士は自分がいた方がボロを出しやすい気がしたからだ。
「あの獣に顔を見せて差してあげる必要なんてないのに……」
と反対していたハンナも、
「ハンナと護衛の騎士が三人もいてくれるのだから大丈夫でしょう?頼りにしているわ」
との言葉に、
「お任せください!」
と俄然やる気になった。
「お待たせいたしました」
とマリーローズが到着した応接間には、既に全員が揃っていた。
「お待たせして申し訳ありません、結婚式での出来事に対して、労りに見せかけた嘲笑の手紙が存外多くて格闘しておりましたもので」
入室一番で先制をくらったアベルは一応ホスト席にいるものの、顔色を悪くさせて何か言いかけた口を閉じた。
「嘲笑の手紙だと?」
不快そうに言うセントレイ伯爵に、
「当然ではありませんか。あの時あの場でカイゼル侯爵家、並びにセントレイ伯爵家はじめ私に味方して寄り添う者は皆無でしたもの。あのさまを見た人々は思ったはずですわ。あゝこの軽んじられた花嫁は侮って良いのだ、取るに足りない小娘なのだと」
「そんなことは_…!「元凶は黙ってください」っ、」
立ち上がりかけた似非騎士を抑えたのは背後に控えた従僕である。
同じテーブルについているとはいえ、私と似非騎士はこの室内では一番離れた場所に座っている。
似非騎士の背後には屈強な従僕二人、両側にはモンドとマリアが控えている。
そして私の両側にはハンナとカール、背後にはファナとルイスが控えている。
まさに鉄壁の守り(ハンナはティーポットを抱えたし、カールとルイスに至っては抜剣しそうだった)で、せっかく作ったコレは出番がないかもしれない。
「おっほん!」
とモンドに促されたアベルは居住まいを正し、
「このたびはご心配をかけて申し訳ありません、セントレイ伯爵、いや義父殿、義母殿。父上と母上にも」
「セントレイ伯爵で構わん、じきに義父ではなくなるからな」
「そのような……、結婚式でのこと、お詫びのしようもございません。重ねて謝罪が遅くなったこと、まことに申し訳ございません」
「先に詫びる相手が違うのではないか?」
というセントレイ伯爵の言葉に、
「いえ、妻への謝罪は既にす、ぐっ?!」
“す“のところで「てぃっ!」という小さな声と不自然なシュ、という擬音が混じった。
「申し訳ありません。手が滑ってしまいましたわおほほ」
とマリアが口元だけで笑う。
(今、手刀入れたよね?首の付け根に)
「旦那さま、訂正を」
とこちらも貼りつけた笑みを浮かべたモンドが促すと、
「マリ…、いや妻には改めて正式に謝罪して許しを乞うつもりでおります故ご心配には及びません」
「今から?あなた十日間何やってたの?」
「色々と忙しく、私が至らないばかりに妻には寂しい思いをさせておりました。これから挽回するつもりでさらに精進するつもりでおります」
いや、寂しくしてないし精進いらんから離婚してくれ__とは口に出さず、マリーローズはただ冷めた表情を浮かべていた。
「えー…、コホン。息子はこう言ってるが、どうかね?マリーローズ嬢」
「挽回の余地はございません。離婚を希望します」
「マリーローズ!」
「口では何とでも言えますわ。“精進“とか“挽回“とか仰ってますが具体的に何をするつもりなのか考えただけで恐ろしいですわ。私が何をしたら喜ぶか、何をされたら嫌がるかを一切わかっていない殿方がやらかすことなんて」
「……そんなことはしない」
「既に盛大にやらかした後ですが?」
「そのことについては謝る!私が愚かで浅はかな行動をした!心から申し訳なく思っている」
「行動で示してくださいな。__因みに私が何をすれば喜ぶのか、見当はついていらっしゃるのですか?」
「一緒に選んだ時、君が好んで手にした物の色や形は記憶している。ドレスでも宝石でも、君は青色を手にとることが多い。宝石は大きな物より小ぶりなものを好む」
(記憶してんのか、怖いな)
「今は青は好きではなくなりました。それだけですか?ただ何かプレゼントして頭を下げれば良いと?」
「こ、これからは君の意見を聞く!だから_…」
「だから?」
「教えてくれ。君の好きなもの、好きなこと、嫌いなものも_…ここにいて教えてくれ」
まるで『こう聞かれたらこう答えよう』の教本のようだ。
前のマリーローズなら絆されただろう、今は中身が違うので無理だが。
「好きなものは色々ありますが今欲しいのはサインされた離婚届、嫌いな事は夫婦の閨事、嫌いなものは妻を放って別の女性の元へ馳せ参じる男ですかね?」
「__それは、」
「もう良い。お前の気持ちはわかった、マリーローズ。この男と離婚したいのだな?」
「はい、セントレイ伯爵さま」
「……もうお父様と呼んではくれないのか」
「今の私の籍は“ロード伯爵家“ですから。そうお決めになられたのはセントレイ伯爵さまでは?」
「私が悪かった。王命とはいえ、お前に何も言わせずこの結婚を押し進めた事、あの結婚式の時一番傷ついただろうお前に寄り添えず、夫の顔を立てるべきだと促したことも__すまなかった」
とセントレイ伯爵が頭を下げた。
これにはマリーローズの方が面食らった。
(娘とはいえ、伯爵家当主が頭を下げるなんて……!)
「それで改めて確認したいのだが、手紙にあった事は事実なんだな?」
「もちろんです。急ぎの手紙でしたので詳細は書けませんでしたが」
と前置きして、マリーローズはこの邸に着いてからあった事をひとつひとつ説明して行き、
「これは事実ですかな?」
と伯爵がアベルに確認して行く件になった。
「はい、事実です」
と最初は端的に頷いていたアベルだが、話が進むにつれて段々と頭が下がり、「はい……」と答える声も小さくなっていく。
一連の説明が終わると、
「何ということだ……!」
と頭を抱えたのはカイゼル侯爵だった。
「も、申し訳ありません父上……!俺、いえ私が未熟だったこと承知しております!ですが結婚式の事は決して私が意図したことでは、」
「そんなことはわかっていてよ。問題はその後よ。あなた、妻を何だと思っているの?」
と続けたのは侯爵夫人だ。
「それはその、私が不勉強でした!あの時は“花さえ買って帰れば良い“と_…あ!そうだ、花__モンド、あれを!」
「はい、旦那さま」
言われてモンドが持って来たのは一輪挿しに入った一本の金色の薔薇だった。
初めて見る色だ。
「これは国内ではほんの一部にしか咲かない、珍しい花なんだ。あの時は急いで買って来たからありふれた薔薇しか用意出来なかったが、この色の方が君に似合うと思ったんだ……どうだろう?君の黄金の髪と同じ色だ」
「まあ……」
「これは……!」
と侯爵夫人とグレンダも感嘆の声をあげる。
確かに一本だけなのに素晴らしい存在感と華やかさを纏った薔薇だった。
「……!……」
マリーローズも、一瞬息を呑んで見惚れた。
「……綺麗ですね」
花に罪はない。
そう思ってのひと言だったが、そうでもなかった。
「そうだろう?王女殿下に特にお願いして譲っていただいたんだ。この花は王宮にしか植えられていないから」
と続いた言葉に、(意外とあった。うん、コレも必要だったわ)とすぐさま戦闘モードに移行した。
気がついたら大分近くまで来ていた似非騎士の後ろに、モンドが腰砕けて崩折れているのが見える。
「ロード伯?頭がこの辺りになるまで屈んでください」
私はにっこり笑ってそう命じた。
言われるまま屈んだ似非騎士の頭上にその一輪挿しを載せると、挿された薔薇を抜き取った。
「ハンナ、王女殿下に送り返しておいて。“必要なくなったから“、と__それとあれを」
「かしこまりました、お嬢様」
薔薇を受け取ったハンナが、引き換えるように何かをマリーローズに手渡した。
「マリーローズ?」
「動かないでくださいね?旦那さま」
その頭、かち割られたくなかったら。
言い終わるのと同時に、私は手にしたハリセンを振り抜いた。
一瞬後、似非騎士の頭上にあった一輪挿しが、吹っ飛んで粉々に砕け散った。
*・゜゚・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゚・*
ハリセンの出番までが意外とかかっちゃったのでお裁きの後編は次回!!
明日書き上がるか正直わからない!!( ̄▽ ̄;)
昨日も感想祭りありがとうございました❣️
楽しませていただきました(⌒▽⌒)♪
引き続きよろしくお願いします!
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